第二回日本ストレスチェック協会総勉強会 レポート

2回目となる日本ストレスチェック協会総勉強会。
全国からファシリテーター(FT)が名古屋に集結し、
和やかで熱気に満ちた雰囲気とともに充実の内容で開催されました!

総勉強会の主な内容は、武神理事からの、子どものストレス対策について提案や問いかけを含めた講座とワーク。
心と体のつながりを実感した、新井理事による「生理学的側面から“区切る”を理解する」
そして、発達障害やメンタル不調など働きづらさのある従業員が「ともに」幸せに働く会社で
現在も奮闘している企業担当者からのレポート。
会場が一挙に和やかになった「ほめ達ワーク」
MVP受賞FTによる自主講座開催時のエピソードトークを伝えるコツ
そして日頃の活動をたたえる、受賞者への表彰がおこなわれました。

日本ストレスチェック協会の活動が、働く大人のストレス対策という枠を超え、
どんな人も幸せに生き生きと働き、生きる社会を構築するための学びを一緒に作り上げていく。

その理念が、まさに形になったような総勉強会となりました。
充実の講座内容、そして表彰式、懇親会の模様を事務局員がレポートいたします!


[講座レポート]

【復習と予習】
「生理学的側面から“区切る”を理解する」 新井孝典理事
「子どものストレス対策~勉強会のまとめと課題~」武神健之理事

心やストレスのことを扱っていると、どうしても体の内部で起きていることを忘れがちかもしれません。
産業医であり循環器内科が専門の新井理事だからこその説得力、そしてユーモアを交え
「7つの習慣」の一つ“区切る”を改めて解説していただく時間となりました。
心と体はつながっている・・・ということを再認識した内容でした。

一方の、武神理事のよる『子どものストレス対策』は一日を通しての大事なテーマとなりました。
産業医として、ストレス過多な職場においても、メンタル不調に陥る人とそうでない人と実際に接することで見えてきた、
子ども時代に本当に育むべき能力、子ども時代におけるストレスとその対策、
そして親や周りの大人の生き方、在り方。これらについてエピソードを交えながらお話しいただきました。

同じ環境にいてもメンタル不調になってしまう方、乗り越えられる方と様々な方がいます。
産業医として1万人以上の方と面談をおこなう中で、
その秘訣をまとめたものが当協会の入門講座「不安とストレスに悩まない7つの習慣」です。

武神代表がこの1年間、特に意識して観てきたことが、面談相手の子ども時代のことでした。
ストレスに強い方、不調に陥ってしまう方、
それぞれ子ども時代にどのような能力が育まれ、
周りの大人たちはどのように接していたのか。

この考察が未来につながる知恵となっていきそうです。

未来を担う子どもに何を伝え、大人たちがどう生きるべきか、問いかけるような内容となりました。
午前におこなわれたこの講義は、この日の最後のワークで、さらに発展的に広がっていくこととなります。


FTによるFTのための講座のコツ講座(1)「ほめ達産業医が伝えるほめる技術」
高津るみ子氏

「ほめ達」という言葉をご存知ですか? ほめること、日頃からできていますか?
かつて、“ダメ出しの達人”だったという高津FTが、どんなふうに自ら「ほめ達」となり、
結果、周りの雰囲気がどう変化していったか・・・。
ご自身の失敗談を交えてシェアしていただきました。

 ◆日頃、なかなか家族や職場の人をほめられていない!
◆どうやってほめたらいいのか分からない!
◆ほめたいけれど、相手のほめられるところが見つけられない!

このような方は多いのではないでしょうか?
高津さんご自身も、かつてはそうした状態でしたが、工夫しながら意識してほめることを続けていくうちに
周囲や家族も変化していく実話には実感がこもっていました。

日本人は特に恥ずかしくてほめることが苦手な方が多いかもしれません。
いきなり達人になろうとするのではなく「ダメ出し脳」から「ほめ脳」へ、
少しずつ移行していくことで、周りも自分も気持ちよく過ごせる。
「まずは、この言葉を言うことから始めよう」といったコツも分かり、会場全体の雰囲気が
非常に和やかになった講座となりました。


「中小企業だからできる!メンタル・発達障害との向き合い方~成功と失敗を繰り返して見えてきたモノ~」亀甲通運株式会社事務部 副部長 松浦正和 様

新井理事が産業医として関わる企業の方をお招きして、その素晴らしい取り組みをシェアしていただきました。
メンタル不調を抱える方や発達に凸凹のある社員との出会い、
そして社内でどのように彼・彼女らの得意を活かし「あなたがいてくれてありがとう!」と社員から感謝され、
本人からも「ずっとここで働きたい!」と言ってもらえるようになったのか・・・。

多様性を認め合うことはこれからの日本において、必ず必要な考え方であり、在り方であるはずです。
いくらシステムや法整備が進んでも、現場で関わる人の心がないと、すぐに破綻してしまう、
非常に繊細なマネジメントが必須です。
今まさに工夫を重ねている現場からの発信だからこそ、臨場感のあるレポートとなりました。
決して一筋縄ではいかない採用や雇用継続について、苦労をネガティブなものにしない姿勢に参加者一同、
たくさんのことを学ぶことができました。

一つ、すぐにでもできるアクションを教えていただきました。
当日参加できなかった方も、ぜひこの記事を機に考えてみてはいかがでしょうか。

例えば外国の方が自分の職場で働くとなったら・・・
私たちはどんな工夫や準備をして迎え入れるでしょうか?
言葉や考え方が違っても伝わる方法は、イラストや数字、矢印など、様々あります。
こうした目で見える準備もきっと必要なはずです。
あるいはその方にとって難しいことをできるだけなくし、意欲的に継続して働いてもらうために、
心や考え方の準備をして迎え入れるのではないでしょうか?

こうした、私たちの自然な思いやりや行動が、多様性をともに生きるエネルギーになっていきます。

素晴らしい講演を聞いて、休憩時間には感想やお礼を伝える人だかりができるほどでした。
法律や仕組みだけに頼らない、これからの時代に求められる人事総務担当者の在り方を
深く教えていただいた時間となりました。


FTによるFTのための講座のコツ講座(2)
「講座の中でのエピソードトークを考えるヒント」疋田奈緒美 氏

今回のMVPを受賞した疋田奈緒美さんによる講座は、講座内でのエピソードトークについての講義となりました。
当協会入門講座「不安とストレスに悩まない7つの習慣」は非常に汎用性が高く、
働く人のみならず、子育て・介護中の方、そして学生にも伝えることができるシンプルで分かりやすい講座です。

そのためFTの個性、そして受講生の層によって、言葉選びをはじめとした「伝え方」が、
相手に響く講座にしていくためのポイントとなってきます!

この時間ではMVPを受賞した疋田さんの快活なトークの裏側に秘められた工夫を学んでいきました。
印象的だったのが、ご自身の後悔や失敗が気づきに変わっていった瞬間の出来事です。
「その出来事を今振り返ると、7つの習慣の一つである“好きなことをする”につながっていた」
ご自身の実感のこもったエピソードは、似た境遇にある受講生の心に深く響いていったのではないでしょうか。

また、テレビ番組や普段の友人との会話、隣の人の会話にも常にアンテナを立てている姿勢も
参考になった方が多かったようです。
そうすることで誰かのまねやトーク事例集にはない、実感のこもった講座となり、
継続開催のエネルギーとなっていることが会場に伝わった時間となりました。



「子どものストレス対策~ワークとシェア」武神代表理事

「不安とストレスに悩まない7つの習慣」を子育て期の親や周りの大人たちに伝えていくことや、
子どもに向けた講座も視野に入れたワークタイムとなりました。
子どもに気づきを起こすために、どのような言葉がいいのか? 
短時間で楽しみながら気づきを起こし、行動してもらうためには? 

チームに分かれたワークタイムでは、様々な意見が交わされ、シェアタイムでは多彩な意見、
アイディアを全員で共有することができ、
「“私たち”は“私”よりすごい」を会場の全員で強く実感する時間となりました。

今回の講義、そしてワークを受けて、子どもに向けた新たな講座、
親や周りの大人に向けた講座に積極的な姿勢を見せるFTの声もたくさん聞こえてきました。


全国から集まったFTの交流も見られました!

『“私たち”は“私”よりもすごい』
「“私たち”は“私”よりもすごい」という言葉を、一日で何度聞いたことでしょうか。
この日集まったFTや一般参加の方々は経歴も職業も様々ですが、ベクトルが同じ人々が束になることで、
答えとエネルギーは、かけ算方式で広がりを見せていくことを、この場にいた参加者全員、肌で感じていきました。


2回目となる今回は、愛知県名古屋市での開催となりました。

なぜ名古屋?とお思いでしょうか。
実は、前回2017年3月におこなわれた第1回総勉強会の参加者で最も多かった(開催地の東京以外)のが
中部地方からの参加者だったということで名古屋での開催が決定いたしました。

今回も同様の方式で、次回2020年の開催地が決まりました!

気になる次回の開催地は・・・?

この記事の最後でお知らせします!

【MVP及び特別賞表彰式】

こちらの記事で受賞者のインタビューを特集していますが
MVPと特別賞の受賞者を紹介いたします!

受賞者の皆様、おめでとうございます!ますますのご活躍をお祈り申し上げます。

MVP 疋田奈緒美さん

特別賞関東 中村智子さん

特別賞中部 手島美和さん

特別賞北陸 池野比呂史さん

特別賞関西 星野知子さん

特別賞九州・沖縄 川原和代さん

第2回総勉強会を振り返って~武神代表より~

協会を設立し4年がたちました。
皆さんの素晴らしい活動のおかげで、企業研修に取り入れられるなど、
講座開催はもちろんのこと、FT個々の活躍も広がりを見せています。

今日一日をとおして私が思ったことです。唯一絶対の正解というものはありません。
ワークタイムでみんなで考えたことをシェアしていただき、集合知はすごいと改めて思いました。
今後、私のほうで今日の皆さんの知をまとめていきたいと思っています。

子どものストレス対策をテーマにみなさんで考えましたが、大人と違って発達段階がいろいろです。
ですので、その子に、何をどうやって伝えるかファシリテーター(FT)自身が考えないといけないものですね。

皆さんも、今日の学びをどんどん生活の中で取り入れて実践してみてください。
そして大人たち自身が幸せで笑顔でいられるように「7つの習慣」の講座をぜひ、もっと広めてください。
そして何よりも、子どもたちに幸せな人生を歩んでもらうためには、
親や周りの大人自身が満たされることも必要になってきます。

また、知識を伝えるだけの講座はFTとしてははっきり言ってラクなのです。
How toだけではなく考え方のチェンジを促して具体的行動につなげる、
まさに、FT自身の「みる・きく・はなす技術」が大事になってきます。

講座内でお互いをダメ出しするような雰囲気ではなく、参加者がお互い笑顔で、
来てよかったと思っていただける雰囲気づくり。それこそがファシリテーションですね。
知識の伝達はファシリテーションではありません。

今日のワークで一緒に考えた子ども向けの講座もどんどんやってみてください。
そしてフィードバックを私にください。
10年後の夢の一つに「学校教育に取り込まれる」というものがあります。
協会の理念を広めるという意味でも、一緒に私も考えて動いていきたいと思います!
今日は皆さん、本当にありがとうございました。

参加者の声

ほんの一部ではありますが、参加した方からの感想です。
満足度が非常に高い総勉強会となりました!

さて、気になる次回の開催は・・・

2020年3月7日(土)、東京での開催が決まりました!
オリンピック・パラリンピック前で、エネルギーあふれる東京でまた集いましょう!

次回の総勉強会の詳細については、協会ホームページ、Facebook、Twitter等でお知らせをします!

次回は受賞者インタビューをお届けいたします! どうぞお楽しみに!

あなたもファシリテーターになりませんか?

今回、この総勉強会に集まったのは当協会のストレスマネジメントファシリテーター。(一般の方の参加もありました)
ストレス・メンタルヘルスの専門家として、あなたも一緒に活動しませんか?
詳しい講座内容はこちら・・・
https://jsca.co.jp/seminars

次回の養成講座開催は

2019年2月23日(土)、24日(日)です!
お申込み・詳細はこちらです。

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