【連載企画】ファシリテーターインタビュー vol.2 浅賀桃子さん

2017-08-25

3月におこなわれた当協会総勉強会にて、各地域にて最も活躍が認められたストレスマネジメントファシリテーター(SMFT)7名の方に特別賞が贈られました。
受賞記念企画としまして、受賞者の講座レポートやインタビュー記事を不定期連載にてお届けしています!

今回は、主に東京都でご活躍中の浅賀桃子さんのご紹介です。
浅賀さんは、IT業界での人事等のキャリアを活かし、「理想のワークスタイル」を目指すためのサポートサービスを展開するベリテワークス株式会社の代表取締役です。

固くなりがちな心理学やメンタルケアの世界に、「スヌーピー心理学」という個性的で親しみやすい講座も取り入れ、「カウンセリングをより身近な存在に」というビジョンで活躍中です。
新規移転したばかりの事務所で、スヌーピーのぬいぐるみに囲まれながら、これまでのキャリア、そしてメンタルケアに対する想いを伺いました。

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ストレスや心のことをタブー扱いしない社会へ

★スヌーピーたちが教えてくれる心のこと

浅賀さんをご存じの方であれば、浅賀さん=「スヌーピー心理学」というイメージがあると思います。初めて耳にする人でも、思わず興味を持ってしまいます。20年来のスヌーピー研究の中から考案されたとのことですが、スヌーピーを取り入れたきっかけや簡単に内容を教えていただけますか?

スヌーピーが出てくる漫画『ピーナッツ』(※)には、実は人間理解のためのヒントがたくさん詰まっているのです。身近に『ピーナッツ』のグッズなどが結構ありましたので、物心ついたころからキャラクターは好きでしたが、漫画に関しては私の母が購読していた英字新聞に連載されていたので、「英語の勉強になる」ということで、読んでみたのが出会いですね。「意外と深いな…」と思って読んでいました。
 大人になって、心理学を勉強しながら改めて読んでみると、スヌーピーたちが人生について語っているセリフやシーンがたくさんあることに気づいたのです。カウンセリングも日常の身近な存在として登場しています。例えば、キャラクターが屋台のようなカウンセリングブースを開いて、そこに友達が「ちょっと調子悪いからカウンセリング受けてくる」と、気軽に相談しにくる、というシーンもあります。

そうした場面にヒントを得たのですね。

実際にアメリカでは、なかなか自身の治療の必要性を認めようとしないアルコール中毒の患者にスヌーピーの漫画を活用し治療を促したという事例もあります。キャラクターの行動に自分を投影させて、気づきをおこさせるのです。
 私のスヌーピー心理学の講座では、独自に作ったキャラクター診断を使って、その方がどのキャラクターのどんな部分に近いか、そして参考になる漫画をお伝えしています。漫画の内容を知らなくても、ぬいぐるみを使いながら説明するので、楽しく、コミュニケーションや人間関係について学んでいただけるようになっています。

『ピーナッツ』は50年以上前のアメリカの漫画ですよね。ということは当時から、心理的な話が日本よりも身近だったのでしょうか。

はい。心のことが昔からタブーではないようです。日本では、まだまだタブー扱いされていますね。それは現在も、企業向けのカウンセリングサービスを提供する中で、私自身が感じているところです。

★IT業界の人事の経験からうまれた独自のサービスとは?

浅賀さんの経歴を拝見しますと、ITの会社の人事での経験を活かして、カウンセラーという道に進まれたようですね。

カウンセラーの資格を持っていたので、人事部を希望して入社したのですが、そこは「3年在籍すれば奇跡」と言われるほど大変な職場でした。人事の本来の業務は、採用や制度づくり、給与計算などですが、社員の相談対応が想定よりはるかに多く、どうしても時間が取られてしまう実態がありました。心理の専門家ではない人事担当者がメンタル的な相談を受けると、相談された人事担当者のほうが対応しきれず不調を訴え、退職する人が増えるという悪循環でした。加えて、IT業界特有の長時間労働やストレスの問題も身近に見えていました。
 こうした私の経験から、人事部は本来の仕事に専念して、メンタル関連の相談事については第三者に任せてみませんか、というところから独立して「カウンセリングサービス」を始めました。

カウンセリングサービスは、実際にどのように活用されているのでしょう?

福利厚生の一つとして、相談窓口を設けてもらうかたちをとっています。その社員が所属する会社を通さずに、社員が直接、私たちにコンタクトをとり、カウンセリングをするサービスです。誰がいつ、相談を受けたかということは会社には知らされませんので、安心して利用いただいています。依頼された会社サイドには、利用人数や、その傾向をデータとしてお伝えするのですが、その利用者の多さにはとても驚かれます。潜在的な対象者がいるということを、サービスを受けるまで、如何に見えていなかったかということですね。
ただ、会社にはカウンセリングを受けたことを知らせないといった配慮が必要なのは、ある意味、心の問題がタブー視されているということでもあります。まさにスヌーピーの世界のように、「ちょっと調子悪いので相談に行ってくる」状態には、まだまだ遠いのが日本の実情です。

企業研修にもスヌーピー心理学を活かしていくと、職場の雰囲気もよくなりそうですね。

はい。ハラスメントの問題なども、実は人間関係がうまくいっていれば、問題が軽いうちに解決することも多いので、うまく取り入れていきたいですね。

★協会の講座にもスヌーピー心理学を取り入れています。

協会の「不安とストレスに悩まない7つの習慣」「みる・きく・はなす技術」の講座は、各FTそれぞれの個性が光るものとなっています。浅賀さんの講座には、やはりスヌーピーが出てくるのでしょうか。

はい。例えば「不安とストレスに悩まない7つの習慣」に出てくる「身体を使う」。この中で出てくる「上を向く」などは、スヌーピーが自然とやっていることなんですね。漫画の中のセリフを講座の導入に使ったりもしています。
「漫画でこれだけ気づきを与えてもらえるとは思わなかった」という感想もいただきますし、スヌーピーを切り口にすることで、客観性をもたせたり、難しい心理の話を和らげる働きがありますね。

最後に、浅賀さんがFTになったきっかけや想いを教えていただけますか。

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ちょうど、カウンセラーとして独立した時期に、産業医でもある武神先生のメールマガジンを読み始めたのがきっかけです。「心のことをタブーにしない」という考え方が、私が目指していることと一致したのです。
 協会のFTはバックグラウンドがそれぞれ違うのが面白いですよね。社労士、カウンセラー、医師、企業に勤める立場の方。それぞれ自分なりの切り口で活動しているので、講座の内容にも厚みが出てきますよね。この間口の広さも、協会の魅力の一つだと思っています。


~取材を終えて~

個性豊かな顔触れのFTの中でも、スヌーピーという独自の切り口を取り入れた講座は、「心のこと」を身近に、そしてオープンにできる空気を根付かせるパワーがあると思います。「心のこと」でひとり悩んだ方のつらさを身近な職場で感じられたご経験をしるべに、これからのカウンセリングについて力強く語ってくださった浅賀さんの更なるご活躍が楽しみです。今日は貴重なお話を、ありがとうございました!


★スヌーピー心理学とは

https://veriteworks.co.jp/snoopy-psychology/

愛らしいキャラクターでお馴染みのスヌーピーとその仲間たちを描いた漫画『ピーナッツ』(※)。ここに登場するキャラクターのセリフやストーリーは心理学的にも優れた観察力で描かれています。
疎遠になりがちな心理学の世界を、より身近に感じてもらうために、浅賀さんが長年のスヌーピー研究をもとに独自に考案。
 プロのカウンセラーから、スヌーピー好きな一般の方まで、幅広い参加者を集める人気講座。NHKの番組にも取り上げられるなど、注目されています。

(※)故・チャールズ・シュルツ氏が、1950年から2000年までの約50年間新聞連載をしていたシリーズ。

スヌーピー心理学講座のご案内

★2017年9月24日(日) @ベリテワークス(東京都北区 田端駅徒歩約6分)
13:30~16:30 スヌーピー心理学 ~自分を知り生きることがラクになる~【本編】
(自分のコミュニケーションのクセが分かる、個性分析診断結果シート+オリジナルスヌーピーキャラクター分析シート付)

詳細・お申込はベリテワークス「スヌーピー心理学」のページより

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スヌーピーを読むなら、まずはこの1冊から
~ 浅賀桃子さん推薦の本をご紹介します ~

『いつだって誰かがいてくれる –スヌーピーたちは無理しないで生きている』
A.J.ツワルスキー 笹野洋子・訳
(講談社+α文庫 640円)

アメリカの精神科医である著者・エイブラハム J .ツワルスキー氏による、「スヌーピー心理学」の入門となるような一冊。
精神科医としての目線で、『ピーナッツ』の世界を分かりやすく解説しています。自分自身をキャラクターに投影したり、周りのちょっと気難しい人たちのことも、漫画を通してクスっと笑いながら理解できるかもしれません。
浅賀さんのインタビューの中で出てくる、カウンセリングの屋台ブースが、まるで日本の子どもがお医者さんごっこをする感覚で描かれるシーンも掲載されています。

★講座レポート  2017年6月29日「みる・きく・はなす技術」

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この講座では、当協会の武神理事が年間1000人以上と面談し続けて発見した、ハラスメント被害者、メンタル不調者が出ない組織の上長が持つ、みる・きく・はなす技術をお伝えしています。主に組織のリーダー向けの研修です。

この日の講座にも、職場のコミュニケーションなどでお悩みの方が参加し、翌日からすぐに役立つ学びが満載の時間となったようです。参加者のインタビューと、講座後にいただいたシェアシートから抜粋した参加者の声をお届けします。

参加者の声

受講した皆さんに、感想をいただきました。

「多様性を大切にしている印象を受けました」(40代男性)

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■ 受講して、全体的な感想をお聞かせください。

ハラスメントが問題とされている中でも、件数が増え続けていることに残念な気持ちになりました。
また、いじめ・嫌がらせの中で、ハラスメントの割合が10年前(平成17年度)の8.9%から、平成27年度は22.4%へ増加しているというお話を聞き、数値として大幅に増加していましたのでとてもインパクトがありました。多数の相談を受ける産業医の方が考えたコンテンツならではで、さまざまな視点からいろいろな対策のバリエーションがあり、多様性を大切にしている印象を受けました。


■ どのような方に、講座をお薦めしたいですか?

大手企業の人事担当・メンターの方にぜひ、聞いてほしい内容でした。社内研修などに使うと、ハラスメントの対策になると思います。
大きな組織になればなるほど人事担当・メンターの方の役割が大きくなり、当事者に近い人のフォローに加え、上層部の意識を向上させることにより、組織として手厚いフォローができていくと思いました。


●メンタルヘルス全般に興味があり、受講しました。ラインケアについてよく勉強になりました。
普段のコミュニケーションがとても大切ですね。メンタル不調者で、声掛けしたのに拒否した場合の対応についてどうしたらいいのかと思っていたのですが、「何かあったら言ってね」という一言は安心感につながるなと思いました。
これは実践していきたいです。(男性)

●みる・はなす・きく、これは改めて意味が広いと感じました。再受講ですが、毎回様々な気づきがあると感じています。声掛け、話を聞くことが大切で、それを意識してやっていきたいと思いました。
まずは観察し声をかけることをすぐに実行したいと思います。(女性)

●今、自分自身にストレスが溜まっているので、解消できるかなと思って今日この講座を受けました。
「何でストレスがたまるか」が少しずつわかってきた気がします。相手のことをあまり知ろうともしないでいたので、客観的に相手を見て、今日学んだ「ほめどころピラミッド(※)」を利用してみたいと思います。また、会社でのストレスの原因について、具体的に解明ができたので良かったです。ありがとうございました。(女性)

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(※ほめどころピラミッドとは…ほめる技術を段階的に示したもの。一番下の階層から順に、上に行くに従い難易度が上がっていきます) 


●初めて聞く話ばかりで、いろいろな気づきがありました。
仕事をしていると、集中して周りが見えなくなってしまうところがあります。人がどう、物事を考えているか、そして、自分がどう考えているのかを、きちんと伝えることが大事だったと分かりました。
それができないと悪循環でうまくいかなかったということが、よく分かりました。視野を広く持つことが欠けていたことに気がつきました。明日から実践してみます。(女性)

●ストレスレスなコミュニケーションができるようになりたいと思い参加しました。
職場で実際に、気になる方がいる場合、話しかけ方と場所の工夫が大事だということが分かりました。
ストレスマグニチュード(※)については、大変勉強になりました。(女性)

(※ストレスマグニチュードとは…日常生活で経験する出来事を元にストレスを数値化した評価尺度のこと。アメリカの心理学者により開発。結婚によるストレスを50点、配偶者の死によるストレスを100点としたときの様々な出来事のストレスを数値化しています)

受講生の声(直筆)

■ ほめどころピラミッドを活用したいです。

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■ 相手を思いやる言動をしていきたいと思いました。

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【講座参加希望の方】
今回レポートした「みる・きく・はなす技術」の講座は、協会所属のファシリテーターが随時開催しています。職場の人間関係などでお悩みの方、参加されてみてはいかがでしょうか?

講座の情報はこちら
https://jsca.co.jp/semi

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