悪くなる前に

みなさん、こんにちは。
キャリアコンサルタントの奥 富美子です。

「具合が悪くなる前に、知っておけばよかった」 
これは、「ストレスマネジメント入門講座『不安とストレスに悩まない7つの習慣』」に参加された方の感想です。

会社員時代、仕事をし過ぎていました。
誰かに話を聴いてもらい、少しでも肩の荷を降ろすことができていればよかったのですが、
自分がまだ慣れていないからだと、自分なりに一人で頑張り続けていました。

しかし、身体に不調をきたし、休職することになりました。
結局退職し、心身の疲れを癒し、再就職活動をしているときに、講座に参加してくださったのでした。

疲れがたまって身体がつらくなれば、気持ちも明るくなれるはずありません。
集中力にかけ、仕事のミスも発生します。
心身ともに「自分自身が休息を求めている」ことに気づくことが大切です。

『生活定点1992~2018』(博報堂生活総合研究所)の「健康」に関する調査データ(2018)を見てみましょう。

「ストレスを感じますか」の問いに、
「感じる:71.9%」「感じない:28.1%」となっています。
1992年~2018年の調査期間に、67.8%~75.0%の間で推移しています。

「ストレスを感じる」人に、「感じる理由は何か」たずねています。
「1位:職場(学校)での人間関係:37.9%」
「2位:自分の将来のこと:30.3%」
「3位:家庭での人間関係:30.2%」
「4位:人間関係以外の職場(学校)のこと:21.4%」
「5位:人間関係以外の家庭のこと19.2%」

となっています。

この1位から5位は、20年前(1998年)も、10年前(2008年)も同じ順位です。
7割の人が、ストレスを感じています。

ストレスをゼロにすることはできませんが、自分なりに対処することはできます。
悪くなる前に、「不安とストレスに悩まない7つの習慣」で学んでほしいと思います。

ストレスの理由に、「職場(学校)での人間関係」「家庭での人間関係」が挙げられています。
そして、「人間関係以外の職場(学校)以外のこと、家庭のこと」が挙げられています。
職場(学校)や家庭という私たちの日常生活そのものの中に、ストレスの理由があるのです。

感じ方に人それぞれの違いがあっても、ストレスがあるのは当たり前だということでしょう。
ストレスを感じたときに実践する自分なりの対処法をもち、
それを習慣にして、元気に過ごし続けることをしていきたいものです。

もう少し、調査データを見てみましょう。

「健康について、当てはまるものを教えてください」と14の項目が挙げられています。
「1位:日頃、睡眠不足を感じている:42.3%」
「2位:太らないように気を配っている:41.8%」
「3位:自分の健康状態は自分で把握していたい:39.0%」
「4位:精神的に疲れを感じている:38.1%」
「5位:肉体的に疲れを感じている:36.5%」
「6位:薬はなるべく使わないようにしている:35.3%」
「7位:ふだん、なるべく歩くように心がけている:34.0%」

となっています。

精神的に疲れを感じている人が3割強いるのに、
「精神的な疲れを癒すために、していることがある」は、「12.4%:11位」でした。

「精神的な疲れ」は、疲労度が高ければ身体にも影響を及ぼしていることでしょう。

身体が不調となれば、「癒すために何かをする」ことさえ、難しいかもしれません。
「何かをする元気・考える元気」さえ、ないのです。
これもポイントは、「悪くなる前に」です。

精神的に疲れたとき、疲れを蓄積させないように何をするか、
自分なりの「すること」を用意しておくことです。

これをすれば、「気晴らしになる」とか、
「ホッとする」とか、分かっておくことが必要です。

分かっていれば、「~で気晴らししよう!」「~でホッとひと息いれよう!」と行動すればいいだけです。

一番のおススメは、「人に話を聴いてもらうこと」です。

平成28年 労働安全衛生調査(実態調査)によれば、
ストレスを実際に相談したところ、
9割の人が、「ストレスが解消された・気が楽になった」としています。

自分で抱えすぎないで、人に話すことで、不安やストレスを自分から「手放す」ようにしましょう。

誰もが不調になることはあります。
しかし悪化させないように、不安・ストレス対策について
知識をつけておくことをおすすめします。

「悪くなる前に」です。

奥 富美子(おく ふみこ)
国家資格キャリアコンサルタント 
きゃりあす 代表
https://www.career-as.com/
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