メンタル不調の部下同僚を見分けるポイントと声の掛け方

 今年はいつになく早く夏が来てしまい、いきなりの猛暑が堪えますね。
そして豪雨災害に遭われた方には心よりお見舞いを申し上げます。

このように、いきなり夏が来てしまったので「5月病」
という言葉すら忘れてしまいそうになりますが、
春頃に芽生えたメンタル不調のリスクを解消できないまま、
ストレスに潰されそうになっている方が近くにいるかも知れません。

そういった方を見逃さないためにも、見分け方と対処法についてのお話です。
ぜひ、あなたの職場でもご活用いただけますと幸いです。

 人は、新しい環境に適応しきれない時や自分が許容できる以上のストレスを感じた時、
そのような“いっぱいいっぱい”な状態が続くと、
その反応が「こころ」「からだ」「行動」の3つの形をとって現れてきます。
 3つの形のうち、本人にとって分かりやすいのは「からだ」に出る身体症状です。
逆に、分かりにくいのが「こころ」に出る精神症状です。
また、他人が気づきやすいのが「行動」に出る症状です。

こころの症状は最も厄介
 ストレスによる精神症状はいろいろあります。
 例えば「やる気が出ない」「何をするにも億劫だ」「なんとなく気持ちが沈む」
「イライラする」「憂鬱な気分」「喪失感」「不安」「あせり「集中力の低下」などです。
 「調子の良いときの自分とは異なる自分がいるみたい」
「こんな自分じゃないはずなのに…」と感じるものの、どうすることも出来ない状況ともいえます。

 しかし厄介なことに、このような精神症状は、目に見えない、
いきなりではなく徐々に現れるため自覚されにくい、
多くの人は最初は認めたがらないという3つの理由により気づかれず、
見逃されやすく、対処されにくいのが実情です。

からだの症状はわかりやすいが、、、 
 一方、ストレスによる身体症状は分かりやすいと言えます。
例えば、寝付けないとか夜中に目が覚めるなど睡眠に関するものが多いのですが、
そのほかにも食欲がない、性欲がない、あるいは腹痛や腰痛、
めまいや動悸などの症状として現れることもあります。
 しかし、必ずしもすべてのからだの症状が“メンタルヘルス不調”によるものとはいえません。
当然ながらこうした症状は、ストレスのせいでなくても、
肉体的な不調のせいで起こることも多々あります。
例えば20代の人にこうした症状が出ればストレス反応である可能性は高いといえますが、
50代、60代の人が食欲不振とか腹痛などの症状を自覚したときは、
まずは病院に行って実際に検査を受けるべきでしょう。
年相応に見合った検査をして、それでも異常が見つからなければ、消去法としてストレスが原因となります。

職場で気づきやすいのは行動にでる症状
 最後に行動にでる症状ですが、これは周囲から一番わかりやすい、かつ、気づきやすい症状です。
 ストレスによる行動の症状は「衝動買い」「お酒の量やタバコの量が増える」
「過食や拒食」「登校拒否」「出社拒否」「ひきこもり」
などが一般的です。
 職場では、遅刻や早退、欠勤が増えたり、集中力が低下してミスを多発したり、
仕事の結果を出すのに時間がかかるため時間外労働や休日出勤が増えたりします。
いわゆる「ほうれんそう(報告、連絡、相談)」が減ったり
職場での仲間との会話が少なくなることもあります。

女性だと眠れなくてやつれた顔を隠すため化粧が濃くなるとか、
男性だと寝癖のついた髪や無精ヒゲのまま出社するなど身だしなみの変化もあります。
 職場でも家庭でも、知っていればあなたの周囲の人を助けるきっかけになり得る点で、重要な症状です。

 では実際に、そのような変化に気づいた場合、まわりの同僚はどのように対処すればいいのでしょうか?

いつもと違うけれど、どうしたの?
 職場の同僚や部下の中でこのような変化に気付いた場合は、
「ちょっといいですか。いつもと違うけれど、どうしたの?」と、
ぜひ少し声をかけていただけると良いでしょう。
 決して、「それってメンタルかもしれないから、お医者さんに行けば?」などとは言わないで下さい。
やはり上司や人事部だけでなく同僚から「医者に行け」と言われるのは、
本人にとっては非常にイヤなことです。

ですので、あくまでも、見た目の変化を指摘する程度「ちょっと心配なんだけど…」
くらいに留めておく方が無難です。

あるいは産業医やカウンセラーのいる会社であれば、
「ちょっと相談に行ってみたら?」と声をかけるのも良いかもしれません。
 
大切なことはあなたが、気づいていることを伝えること、何か助けになることができないかと
思っていることを伝えること、話を聞いてあげること、
そして、必要に応じて医師やカウンセラー等の専門家につなぐことです。
決して、あなたが相手のストレス原因を解決したり、相手のメンタルヘルス不調を治す必要はないということです。
真面目で面倒見のいい人ほど、そう思ってしまっており、声がかけられないでいるようです。

ストレスは成長の糧にもなる
 ストレスには良いも悪いもなく、単に感じ方の違いです。
ストレスは自分の調子を崩す原因にもなりますが、成長の糧にもなります。
ですから、上手に付き合うことが必要です。
そのためには、ストレスがいっぱいいっぱいになった時の「こころ」「からだ」「行動」に
出るストレス反応について、知識としてでも身につけていることが大切です。
 そうすればさらに何らかの症状が現れたときに、自ら気づき早めに適切に対処することができます。
そして、そのような状況から部下や同僚を救うきっかけにもなります。

 多くの方にとってはゆっくり休める夏季休暇まで、まだ1カ月ほどありますね。
ストレスを抱えたり、メンタルヘルス不調にならぬよう、自分と周囲の人をぜひ、ケアしていきましょう。