いい加減、は、良い加減?

こんにちは、お気楽産業医ママです。
今年の暑さは、ストレスですよね・・・・
とりあえず、皆様、まずは熱中症にお気をつけてください!

さて、産業医の面談をしていると、真面目で真摯な人ほど、自分を責めたり、
人の言動に翻弄されてしまい、行き場をなくしてしまうことがある傾向がある、と感じます。

これは実際にそうで、いい加減で、スルースキルが高く、自分が好きな人、、、
言葉を変えると、自分ができるキャパシティがわかっていて、自分と他人の距離を把握できていて、
自己を確立できている人、という風に、言い換えることができます。

メンタルが強い、と一般的に言われている方たちに共通している事項は、
「いいかげん」→「良い加減」をわかっている、という人たちと思います。

良い加減、というのは、人との距離感ももちろん、人に過度な期待をしない、自分の能力がわかっていて、
さらに、ストレスを解消することができる時間を持っている、ということじゃないかな、と思います。

ただ、どんな人でも、嫌なこと、ストレスが強いことが一気に重なると、やはり弱ります。
ちょっと古い研究で、今はないよ・・・みたいなこともあるかもしれませんが、こちらの研究は有名ですね。
ワシントン大学医学部のトーマス・H・ホームズ、リチャード・ラーエ両博士が考案した
社会的再調整評価表というものによると、

出来事        採点

1、配偶者の死 100   
2、離婚 73       
3、夫婦の別居 65
4、犯罪行為による入獄 63
5、近親者の死 63
6、外傷、疾病羅患 53
7、結婚 50
8、職場の火災 47
9、夫婦仲の回復 45
10、退職 45
11、家族の疾病 44
12、妊娠 40
13、性的困難 39
14、新しい家族の加入 39  
15、再就職 39
16、経済状態の変化 38
17、親友の死 37
18、職場の配置転換 36  
19、配偶者との意見の不一致 35
20、200万円以上の借金 31  
21、抵当や賃金の失効 30
22、職責の変化 29
23、子供の独立 29
24、姻戚とのトラブル 29
25、個人的な事業の成就 28
26、妻の就職、退職 26
27、入学、卒業 26
28、生活条件の変化 25
29、個人的習慣の変化 24
30、上司とのトラブル 23
31、労働時間、条件の変化 20
32 住居の変化 20
33、学校の変化 20
34、余暇の過ごし方の変化 19
35、宗教活動の変化 19
36、社会活動上の変化 18
37、200万円以下の借金 17
38、睡眠習慣の変化 16
39、家族間の親密度の変化 15
40、食習慣の変化 15
41、余暇 13
42、クリスマス 12
43、些細な触法行為 11

これがトータルで300点を超えると、ストレス性の疾患を生じやすい、と。
150点以下では起きにくい、というものです。

古いデータですが、参考になるのは、
「いいことも悪いことも、いっぺんにきちゃったら、弱る」ということだと思います。
もちろん、こんなこと言ってる私にも、こういう波がきちゃってて、あー弱ってるわ・・っていう時があります。
そういう時はどうするか?あくまで私の場合、ですが、「できることから片付けていく」のです。
どうしようもないこともある、でも、自分でどうにかできることもある。
また、考えないで済むように、お笑いのビデオを見たり、運動したり(私の場合は、水泳です)。
叫ぶのも、カラオケに行くのも、友達に愚痴るのも、なんでもいいと思います。
一人で抱え込まず、問題解決には頑張り、頼れるところには頼る!

責任感が強すぎる人は、その真面目さを変える必要など、全くありませんし、
性格を変えるなんてなかなか難しい。けれど、行動を変えることは可能です。

まず深呼吸。
そして、自分以外の人は自分と同じ考え方をしない。
相手のリズムに踊らされない「いいかげん」が、必要なスキルだとおもいます。

あなたは、あなたらしく、でも、行動にちょっと注意していくだけで、
もっと快適な人生がおくれる・・・はず!

私も、まだまだ勉強することだらけですし、一緒に頑張りましょう!
幾つになっても、自分の行動を変えることはできるのです。

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野尻紀代美 産業医(労働衛生コンサルタント)
認定内科医
有限会社ウエストフィールド・コンサルティング 代表取締役
URL:
https://www.facebook.com/westfield.consulting.Inc/

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