イベントレポート 『大丈夫、みんなと一緒に働けます!』 ~障がいのある人もない人も、ともに生きるまち日野~

2月1日(土)JR豊田駅近くのイベントスペース『PlanT』で開催された講演会で
当協会FTの松浦正和さんが登壇されました!

また、この講演を企画したチームの一員にも当協会FT、中村智子さんのお名前が。

松浦さんは2018年11月、名古屋で開催された総勉強会で講演をされ、その素晴らしい取り組みに多くの方に感動と驚きを与えた、民間企業の人事担当者さんです。

そのときの講演の模様はこちら
『中小企業だからできる!メンタル・発達障害との向き合い方~成功と失敗を繰り返して見えてきたモノ~』

また、中村智子さんは地元の日野市や八王子方面で活動をされ、ママ向けの講座を開催するなど、あたたかい場づくりで大人気のファシリテーターさんです。

この日の講演会は、日野市商工会が主催となり

・発達障がい当事者が強みを活かし、目的を持って生き生きと働くには?
・人材不足の中小企業が、発達障がい者を雇用しながら働きやすい環境を創る秘訣は?

をテーマに具体的な取り組みと、取り組みが目指す社会について学ぶ時間となりました。

このような場に、当協会FTが2人関わるということにどのような意味があるのでしょうか?
会場に伺って、講演の模様を取材いたしました。

❏『発達障害』と『雇用』の話

この日の登壇者は3名。
働きづらさの中で33歳のときに発達障害の診断を受け、その経験をもとに執筆した『発達障害の自分の育て方』の著書・岩本友規さん。
企業の人事担当で、発達障害や引きこもり歴のある方が元気に働ける職場づくりを実践する、松浦正和さん。
そして、特別支援学校高等部を卒業後、障害者支援施設で働く、田中茜さん。

「障害者雇用は負担でも義務でもなく、実はやってみればみんなにwin-win!?」
当事者の田中茜さん。

それぞれの実体験に基づく話は、心に響く内容であると同時に、具体的でみんなが働きやすくなるためのヒントが満載でした。

「人によって違う世界に生きている」と語るのは岩本さん。
障害の診断の有無に関わらず全ての人には違いがあり、その違いをお互いに理解、想像する力こそ、これからの職場には必要なのだと伝えていました。

雇用する側の具体的な対応や実践を語ったのは、松浦さん。
多くの工夫で会社全体が変化した実例を語られましたが、その中で最も強く伝えていたのが「本人たちの幸せに焦点を当てる」という点です。

『ハンディのある子が安心して過ごせる場所が会社になるまで』

人手不足や、障害者雇用促進法に伴い、雇用の機会が増えた良い動きがある一方で、企業側の理解がないまま、働く人の幸せが二の次になってしまうケースもあるようです。

そうではなく、働く人の幸せに焦点を当てることで、当事者や一緒に働く既存の社員みんなが働きやすい職場となっていく。このようなことが松浦さん、岩本さんの話からは見えてきました。

一方、発達障害や生きづらさを抱える方たちの生育歴や家族環境に目を移すと、
そこにはもう一つの課題があることに気づきます。

岩本さんと松浦さんの対談

❏幸せに働く人を育てるために

働く意欲のある方が不安やストレスに耐えられず、休職や退職をしてしまうことは本人にとっても会社にとっても、そして家族にとってもつらいこと。

障害の有無に関わらず、同じ環境であっても幸せに働き続けられる方と、それが難しく感じる方がいらっしゃるのもまた事実。

松浦さんの講演の最後に、このような話がありました。
「幼少期からの家族の関わり方」についてです。

実際に、就職、採用の場面では当事者の家族と関わることも多く、そのような場面で感じるのが長期間にわたる家族の疲弊という問題だそうです。

当事者、家族だけに対応を求めるのではなく、地域や社会で支え合うのが理想ではありますが、多くの時間をともに過ごす家族が、子どもの特性を理解し、関わり方を工夫することで、子どもたちに自己肯定感が育まれ、障害の有無に関わらず幸せに働く大人に育っていく可能性が高まります。

日本ストレスチェック協会の「子供のストレス対策講座~ストレスに強い大人になるために子供時代に身に着けたいこと~」では、ストレスの多い職場でも自分らしく働き続ける方が幼少期に身につけた力を分析し、大人たちの関わり方についてお伝えしています。

松浦さんと中村さん

❏中村FTの思いが形になりました。

東京都日野市の商工会の皆さんが企画した、この講演会。企画スタッフのお一人で、当協会FT中村さんに講演終了後に話を聞きました。

中村さんと松浦さんの出会いは2018年に名古屋で開催された、第2回日本ストレスチェック協会 総勉強会。そこで話された松浦さんの職場での取り組みに感銘を受け、今回の講演会につながりました。

「地元の中小企業さんでは障害者雇用と言われても、どのようにしたらいいか分からず、なかなか積極的に動けないところが多いんですね。松浦さんの取り組みが素晴らしいので、ぜひ皆さんに聞いてほしいと思ったんです」(中村さん)

日野市や八王子市を中心に、地元の方々向けの講座などで活発に活動をされている中村さん。2月8日には「子供のストレス対策講座」も日野市で開かれました。

幸せに働く人を育てるには、長い時間と、一人ひとりの理解や気付きが必要です。

協会認定ファシリテーターの活動により、理解の輪が広がり、幸せな職場の土台が広がっていく現場を、この日の講演会では見ることができました。

【講演会詳細】

2月1日(土)
日野市商工会 商業まちづくりプラットホーム事業
大丈夫、みんなと一緒に働けます!~障がいのある人もない人も、ともに生きるまち日野~

【お知らせ】
メンタルヘルスや働くこと、子供のストレス対策など
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