ストレスチェック項目等に関する専門検討会 中間とりまとめ(案)

2014-08-15
1 ストレスチェックの実施⽅方法について
(1)実施者

・ ス ト レ ス チ ェ ッ ク の 実 施 者 ( 以 下 単 に 「 実 施 者 」 と い う 。) と し て は 、 医 師 、 保健師のほかに、厚生労働省令で定める者として、現時点では、看護師、精神保 健福祉⼠が想定されているが、現在国会で継続審議となっている公認⼼心 理理師法案 の状況等を踏まえる必要がある。

(2)実施⽅方法
 ・ 1年以内ごとに1回以上、実施することが適当である。
 ・ 調査票によることを基本とし、⾯談による⽅方法を必須とはしないことが適当である。
 ・ ⼀般定期健康診断と同時に実施することも可能とすることが適当である。この場合、ストレスチェックについては、労働者には検査を受ける義務がないこと、 検査結果は本人に通知し、本⼈の同意なく事業者に通知できないことに留意する必要がある。
 ・ 実施に当たっては、産業医が関与することが望ましい。
 ・ 労働者に対し、ストレスチェック制度の⽬的や情報の取扱について事前に十分説明し、理解を得ることが重要である。
(3)実施者の役割
 ・ 実施者は、最低限、当該事業所におけるストレスチェックの企画及び結果の評価を行う必要がある。

・ ストレスチェックの企画には項⽬及び実施時期の選定を含み、結果の評価には、 評価基準の設定及び個⼈の結果の評価(ストレスチェック結果の点検、確認、⾯接指導対象者の選定等)を含む必要がある。

・ ストレスチェックの結果(原票)⼜又は個々の労働者の評価結果は、実施者が、 ⼀定期間、個人情報の保護に留留意しつつ、保管することが適当である

(4)ICTを活⽤用したストレスチェックの実施
 ・ インターネットまたは企業内のネットワーク(イントラネット)等ICTを活⽤用したストレスチェックの実施については、実施に当たって、以下の3点について担保されている場合は、実施可能とすべき。
  1 事業者及び実施者において、個⼈人情報の保護や改ざんの防止(セキュリティの確保)のための仕組みが整っており、その仕組みに基づいて実施者において個人の検査結果の保存が適切切になされていること。

 2 労働者以外にストレスチェックの結果を閲覧することのできる者の制限がなされている(実施者以外は閲覧できないようにされている)こと。

  3 (3)の実施者の役割が果たされること
(5)事業場の総合的なメンタルヘルス対策との連携
 ・ 事業者は、ストレスチェックを、当該事業者における総合的なメンタルヘルス対策の⼀環として位置付けることが適当である。
 ・ 具体的には、労働者に対するセルフケアに関する情報提供や保健指導、ストレスチェック結果の集団的分析に基づく職場改善の取組、職場改善に関する管理理監督者向け研修等を含めた総合的な対応を⾏行行うことが望ましい。
 ・ これらの取組について、衛⽣生委員会で調査審議することが適当である。
 ・ ストレスチェックの実施率率や実施方法、効果について、事業場内でPDCAサイクルで評価・改善を⾏行行うことが望ましい。
2 ストレスチェックの項⽬目について
(1)基本的な考え⽅方
 ・ ストレスチェックの目的は、主に⼀一次予防(本⼈人のストレスへの気づきと職場環境の改善)であり、副次的に⼆二次予防(メンタルヘルス不不調の早期発⾒見見)になり得るものと整理理することが適当である。

・ こ の ⽬目 的 に 照 ら せ ば 、 ス ト レ ス チ ェ ッ ク に は 、「 ス ト レ ス 要 因 」、「 ⼼心 ⾝身 の ス ト レス反応」及び「周囲のサポート」の3領領域に関する内容を含めることが必要で ある。

・ 先行して実施している事業者の取組を考慮するとともに、専属産業医のいない中小規模事業場や、メンタルヘルスを専⾨門としない医師等でも適切切にストレスチェックが実施できるようにする必要がある。

(2)具体的なストレスチェック項⽬目
法に基づくストレスチェックの最低限必要な要件として、「ストレス要因」、「⼼⾝身のストレス反応」及び「周囲のサポート」の3領領域に関する項⽬目をすべて含まなければならないものとすることが適当である。

 ・ 具体的なストレスチェックの項目は、法令令に基づく基準として定めることは適当ではなく、標準的な項目を指針等で示すことが適当である。
 ・ 各企業においては、国が⽰示す標準的な項目を参考としつつ各々の判断で項目を選定することができるようにすべきである。ただし、独自の項目を選定する場合には、3領領域に関する項目をすべて含むものであって、その項目に⼀一定の科学的な根拠が求められることを示すべきである。
 ・ 標準的な項⽬としては、これまでの研究の蓄積及び使用実績のあり、現時点では最も望ましいものであると考えられる「職業性ストレス簡易易調査票」(57 項⽬目 の調査票)を⽰示すことが適当である。また、中⼩小規模事業場における実施可能性 も 考 慮 し 、「 職 業 性 ス ト レ ス 簡 易 調 査 票 」 を さ ら に 簡 略略 化 し た 標 準 的 項 目 と し て 別紙の 23 項目を⽰示すことが適当である。

3 ストレスチェックの結果の評価について
・ ストレスチェックの主⽬目的である⼀一次予防(本⼈のストレスへの気づきと職場環境の改善)に活用するためには、「⼼身のストレス反応」に関する項目だけで はなく、「ストレス要因」及び「周囲のサポート」に関する項⽬目についても併せ て評価することが重要である。

(1)個⼈人に対する評価の⽅方法と基準
 ・ 具体的な⽅方法としては、

1 ⾼ストレスであることの評価にあたっては、「⼼身のストレス反応」の評価 点 が ⾼高 得 点 で あ る こ と を 必 須 と し て 、ま ず は「 ⼼身 の ス ト レ ス 反 応 」に 関 す る 項⽬を評価し、高い得点であった場合に「ストレス要因」及び「周囲のサポー ト」に関する項⽬を評価するという⽅方法と、

2 「⼼身のストレス反応」の評価点が⾼得点でなくとも、「ストレス要因」や 「周囲のサポート」の評価点が著しく高得点である場合は、セルフケアの支援 や職場改善が必要な場合もあることが考えられるため、「⼼ 身のストレス反応」 の評価点が高得点であることのみを、高ストレスであることの評価の必須要件 とはしない方法とが考えられる。具体的な評価方法についてはなお検討が必要であるが、検討に おいては、それぞれの⽅法において、⾼ストレスと判定される者の割合がどの程度になるかについても留意する必要がある。

具体的な評価基準については、上記の評価方法の検討に併せ、なお検討が必要 である。

(2)集団に対する評価の方法と基準 ・集団の分析と評価は、「職業性ストレス簡易易調査票」に関して公開されている 職場のストレス判定図を活⽤用することが有効である。

・集団の結果の評価は、少⼈人数だと個人が特定されるリスクがあること等から、 原則として 20 ⼈人以上の集団に対して評価することが適当。

4 ストレスチェックに含めることが不不適当な項⽬目
(1)法定のストレスチェックに含めることが不不適切切な項⽬目
 ・ 「性格検査」や「適性検査」に関する項目は、ストレスチェックとは別のものであり、含めるべきではない。
 ・ 「希死念慮」や「⾃傷行為」に関する項⽬は、背景事情なども含めて評価が必要であり、含めるべきではない。

・ 事業者独⾃の項⽬を設定する場合には、上記のほか、ストレスチェックの⽬的 はうつ病等の精神疾患のスクリーニングではないことに留留意して項目を選定す る必要がある。

(2)法定のストレスチェックに併せて他の項⽬目を労働者の同意を得た上で実施する ことについて

・ 法定外としてうつ病等の精神疾患のスクリーニングを行う場合、労働者の同意 を得た上で⾏行行うのであれば、ある程度事業者の裁量量に任せることが適当である。

・ ただし、ストレスチェックと同時に⾏う場合には、ストレスチェックの主な⽬目 的が⼀一次予防であることの理理解が得られにくくなるおそれがあること、また、そ の結果について、合理的な理由なく労働者の不 利益に⽤用いられないようにする必 要があることに留意が必要である。

5 ストレスチェックと⼀一般健康診断の⾃自他覚症状の有無の検査との関係
(1)基本的な考え⽅方

・ ⼀般健康診断の⾃他覚症状の有無の検査(いわゆる医師による「問診」)は、 労働者の⾝体症状のみならず、精神面の症状も同時に診ることにより、総合的に ⼼身の健康の状況を判断するものであり、原則として問診に含める項⽬について 制限すべきではない。

・ ⼀方、ストレスチェックを受ける労働者のプライバシーを守るため、本⼈人の同意がない場合はストレスチェックの結果を事業者に提供してはならないことと されたことに留意が必要である。

(2)具体的な関係の整理理

・ストレスチェックは、調査票により、「⼼身のストレス反応」、「ストレス要因」 及び「周囲のサポート」の3領領域にまたがる項⽬目により、ストレスの状況を点数 化し、数値評価するものであるため、問診において、たとえば「イライラ感」、「不不 安 感 」、「 疲 労 感 」、「 抑 う つ 感 」、「 睡 眠 不不 ⾜足 」、「 ⾷食 欲 不不 振 」 な ど 、 ⼼身 の 状 況 に 関 する項⽬であっても、点数化や数値評価を行わない⽅法(例えば、5段階で程度 を記⼊入してもらうのではなく、「はい・いいえ」といった回答項⽬目を設けるなど)で把握する場合には、ストレスチェックには該当しないものとして整理理することが適当である。

・ ただし、この場合も、問診結果を事業者に提供する場合は、労働者のプライバシーに配慮しつつ、⽣生データ(問診票や医師が作成した問診の記録など)は産業医等の産業保健スタッフに扱わせることが望ましい。

・ な お 、 問 診 に お い て 、「 ⼼身 の ス ト レ ス 反 応 」 に 関 す る ⼀一 部 の 項 目 な ど 、 ス トレスチェックの要素を⼀一部の項⽬だけを取り出して実施し、その上で問診を⾏い、点数化や数値評価を⾏い、ストレスの状況を把握するような⽅法は、法定のストレスチェックには該当しないが、⼀般健康診断に基づく⾃他覚症状の有無の検査方法として適当でない。

【関連リンク】

ストレスチェック項目等に関する専門検討会 第2回の主な意見等
http://jsca.co.jp/?p=684

ストレスチェック結果の評価に関する考え方の整理
http://jsca.co.jp/?p=687

ストレスチェック項目等に関する専門検討会 中間とりまとめ(案)
http://jsca.co.jp/?p=692

一般健診の問診とストレスチェックとの関係について
http://jsca.co.jp/?p=695



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