現役産業医が指南するストレス解消法③『パワハラを防ぐ「し・か・り・ぐ・せ」』

大手広告会社に勤める女子社員が自殺をした事件は記憶に新しい。
彼女には長時間労働以外にも上司の
パワーハラスメント(パワハラ)があったのだという。

「上司をはじめ自分たちの行為が自殺につながること
までは考えが及ばなかったでしょう」
では、パワハラにならないために注意する点は?

まずは「怒る」と「叱る」の違いを知ること。
怒るとは自分の感情を相手にぶつけることで、
叱るとは相手のことを想い、注意すること。

これは松岡修造氏が日めくりカレンダーの中で述べていることだ。

そして、ハラスメント被害者を出さない上司は
滅多なことで部下を怒ったりしない。

「怒るときに相手を承認すると叱るになると私は考えます。
そして叱るときに是非、守ってほしい項目は、その頭文字を取って
『し・か・り・ぐ・せ』になります」

「し」→身体的接触は絶対禁止

「多くの会社でパワハラかどうかの認定をするときに
最初の基準となるのが、身体的接触があったかどうか。
直接叩いたりするのはもちろん、ペンなどで叩く、ものを投げる
というのも絶対にやってはいけません。
例えば普段なら肩をポンポンと叩くことは問題にならないのですが、
関係がまずくなると『小突かれた』とが、
女性なら『触られた』となってしまいます」

「か」→過去は責めずに、隔離して2人で

過去は責めても変わりません。過去に何かがあったなら
『今後はどうするの?』と未来の話にしましょう。
そして、部下を叱るときに人前ではなく2人でというのが基本。
面談にやってきた外資系に勤務する方のケース。
部下を大勢の前で叱ったことで、人事部から呼び出されたのだと言います。
『前職の日本の銀行では、皆の前で叱ることを推奨していました』
とのこと。このような企業文化が根強く残っているので気を付けましょう」

「り」→理論的に

感情的になってはいけません。次の『ぐ』を守れば可能です」

「ぐ」→具体的に

具体性が大事です。そうでないと、何で叱られているか
わからないということになりかねません」

「せ」→性格を責めない

「30代半ばの管理職の女性が20代後半の女性職員に雷を落とした事例。
遅刻が多く、短いスカートに胸元の開いたトップスという
部下のいで立ちに『いつも遅刻してきてどういうつもり!やる気あるの?
ないの?恰好からしてだらしない。その性格から直しなさい』と怒鳴った。
この場合、身体的接触はないので『し』はOK。
隔離はできていないので『か』はダメ。感情的に怒鳴ったので『り』もダメ。
『ぐ』は服装のことを言ってないのでNG。

そして『せ』についてはは性格を責めているので逆効果
直しなさいと言っても効き目は期待できません。

冒頭の自殺事件では、女性は上司から
『髪ボサボサ、目が充血』『女子力がない』と言われていたと言います。
このように業務に関係のないことで叱るのも論外です」

「し・か・り・ぐ・せ」を守り効果的な叱り癖を身に着けたいものだ。


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