社会的再適応評価尺度

皆さんこんにちは、年が明けたと思ったら、もう雛人形の宣伝。
ウカウカするとすぐクリスマスになんていうほどのスピード感で第4四半期を駆け抜けています。
とは言えまだ寒い日が続きます。特に、今年はノロウイルスが例年と違う変異系で流行の恐れありだそうです。くれぐれも手洗い励行でいきましょう。
さて、話は本題に入りますが、前回も話題にした職場におけるメンタルヘルスによる労働災害の続編です。
長時間労働・パワーハラスメント・セクシャルハラスメントと種類は様々ですが、労災認定に間接的に使用される指標の一つとして「社会的再適応尺度」という考え方があります。これは、個々人のライフスタイルに応じたイベントごとに、どのくらいのストレス(≒負荷)がかかるのかを数値化したものです。以下その説明をさせていただければと思います。

尺度の目安

このスケールは1960年代にアメリカで作成され、配偶者が亡くなったという事実を100点として、転職、引っ越し、慶事である結婚、昇任なども含め、計43項目の出来事に伴うストレスを指数にしたものです。
これを、現代の日本の環境や生活習慣、価値観などに合わせて、精神科医である夏目誠・大阪樟蔭女子大学人間科学部教授の研究グループが1988年に”日本版”のストレス点数表を発表しました。勤労者に着眼し、項目も「子供の受験勉強」「定年退職」など計65に増やされました。
事実関係に基づきどのような出来事が各人のストレスになるか、精神的な負荷になるのかを数値化したものですから、ストレス度の平均的な数値化・見える化として使用できます。

精神障害の労災認定の可否に至る一つの指標

業務における心的負荷で精神障害をきたすことが労災になることは当たり前ですが、業務外の心的負荷でないことも数値化し、逆にこれは労災ではないという数値も必要になってきます。
これを前述のように数値化することで、今自分が置かれている状況をある程度は客観視できるともいえます。
先ほども申し上げた通り、尺度は一般的な数値化です。必ずしも万人に当てはまるわけではないですが、多くの方がストレスを感じるであろう項目を知っておくだけでも有益でしょう。当協会でもストレスへの対処として提唱している対応である、ストレスになるであろう「一般的な想定内の出来事」の幅を知り、「想定外の出来事」に対処する一助になるかもしれません。是非一度以下のHP等などでご確認いただければ幸いです。

厚労省HP:http://www.mhlw.go.jp/bunya/roudoukijun/rousaihoken04/120427.html

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高﨑 陽介
横浜市内介護サービス事業者勤務人事担当
勤務特定社労士
http://blog.goo.ne.jp/fiveten46
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