K氏の逮捕から考える

皆さんこんにちは、節分もすぎ、立春。我が家も来月の「ひな祭り」に向けて、ひな人形を準備しました。四季を感じることができる日本に感謝しつつ、季節のイベントで気分転換を図る効用もあるかもしれません。
さて今回は、急きょ飛び込んできた野球界のK氏の薬物逮捕から考えるストレスや不安について思いを巡らせてみようと思います。 
 

逮捕からまず思ったのは?

 今年は年の初めから某タレントの不倫疑惑や、某グループの解散騒動、有名なアーティストの他界など週刊誌の記事には事欠かないひと月でした。しかし、私にとってはそれを上回る衝撃が今回の事件にはありました。
 というのも、薬物乱用という事件のことより、K氏がこの事件を起こした背景に、我々一般人も思いをはせる何かがある気がしたのです。それは「孤独」というキーワードです。
 ご存知の通り、K氏は高校野球で一大スターになりその後球界でも成績を残し、個人タイトルはないものの2,000本安打を記録し名球会入りするスターです。
 一方、ドラフトでは当初希望の球団から一位指名されなかったり、その球団にFA宣言で入団した後は球界番長の異名で強面のイメージが定着したり、近々では奥様と離婚なさったりとゴシップ記事には事欠かない人物でもありました。
 私はK氏に日本人の男性が抱く「男っぽさ」、あぁこういう時にこんなことが言えるとかっこいいのだな、などと下世話ながらシンパシーを感じる一方、発言の端々に「強がっているな」「大丈夫かな」という印象も持っていました。

孤独な環境

先にも触れたように、近々のK氏は奥様との離婚、そこから派生し、お子様と毎日顔を合わせることができなくなったという環境でした。彼はそのことが辛かったと吐露しています。このような「孤独」がなにか大きな事件などにならなければよいなと思っていた矢先の事件です。
当協会のセミナーや、代表理事の武神の著書「不安やストレスに悩まされない人が身につけている七つの習慣(産学社発行)」にも書いてあるように2013年の労働安全衛生調査(実態調査)によれば、調査対象の約半数の方々がストレスを感じ、そのストレスについて話ができる人がいるという方が約90%、しかし実際に相談したかに言及すると約75%つまり4人に1人は相談しないでストレスや不安を抱えていることになります。一方、話せた人は約80%以上の割合で、ストレス解消や気分が楽になったと回答しています。
テレビなどでは、事件の重大さ、世間への影響度に目が向いていますが、皆さんが彼と同じ境遇だったらどうでしょうか?上記のように話せる相手の存在や話せる環境がありますか?
私は自分自身に置き換えたとき、100%いるとは断言できないと思った一方、そういう関係が築ける家族や友人を作ることの大切さを改めて痛感したのです。

強がりはほどほどに

昔の日本男児といえば、「強がり」は美学でした。いわゆる「武士は食わねど高楊枝」です。先にも触れたように私もそう思って今まで40年以上過ごしてきました。
しかしながら、今回の事件でいくら美学であったとしてもやはり人間一人では生きてはいけない、特に情報やモノが溢れている現在、物欲がある程度は満たされている一方で、孤独、孤立感を感じやすい状況に誰もが置かれています。これは個人の問題だけで考えるのではなく、誰でもが大なり小なり抱える問題だと認識して生活する必要があると思ったのです。
男性について触れましたが、性別問わず皆さんも自分に問いかけてみてください。「強がり過ぎてないかな?」、「勇気を出して相談してみよう」と。そうすることにより少しでもストレスが解消されれば、事件になるようなことは横においても、ストレスや不安が和らぐと思います。
最後になりますが、事件の全容が明らかになり薬物撲滅の一助になることと、合わせてすでに薬物を使用してしまったK氏も含め、薬物を使わないで済む環境ができることを願っています。

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高﨑 陽介
横浜市内介護サービス事業者勤務人事担当
勤務特定社労士
http://blog.goo.ne.jp/fiveten46
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