復職判定で一番多い質問とは?

毎月、人事担当者の方々より、数多くの復職に関するご質問や復職判定の依頼等を頂いております。今年もすでに、50人以上の復職に携わらせていただきました。
この分野で一番多いご質問は、つきつめれば、以下にまとめられます。

「このような状態で、復職できるのでしょうか?」

もちろん、この文章の前には、
「従業員は、1日数時間なら戻れると言っています」とか、
「主治医が、違う職場なら戻れると言っています」とか、
「本人が、前の職場以外と言っています」
などの言葉がついています。

産業医としての私の答えは以下となります。
復職の可否は、「本人の改善具合」も大切ですが、「会社がどのレベルまでを求めているか」、そして、「復職から通常勤務に移行する判断はどのようにするのか」がもっと大切です。

例えば、復職時の勤務時間にしても、時間だけを決めればいいというだけではありません。

就業時間をすべて勤務できる状態が復職の条件の場合、「復職予定の人が既にその就業時間に相当する時間を図書館がよいなどしており、勤務可能な状態でいる」ということをどのように確認するのでしょうか。生活記録票などを書いてもらうのでしょうか。
また、半日勤務(4時間勤務)からの復職を許可している会社の場合であれば、復職予定の人は、「ようやく半日ほど外出できればいい」のか、それとも、「8時間ほど外出できるくらい回復している人に、念のため半日勤務から初めてもらい、ゆっくりならしていくつもり」なのでしょうか?
さらに、この制限勤務は、どれくらいの期間続けるつもりなのでしょうか。制限勤務もできないときはどうするのか。制限勤務から通常勤務になる時期や基準はあるのでしょうか。最長何ヶ月間、制限勤務は続けることが可能なのでしょうか。

復職する部署についても、考えるべきことがたくさんあります。

厚生労働省は、復職する部署については「基本的に同じ部署」というスタンスです。一方、会社の判断がある場合は、異なる部署でも結構です。「同じ部署には戻れないが、違う部署なら戻れる」という休職者は、私は基本復職の許可は出しません。

大抵の場合、復職面談を行うにあたり、そのような基準での対応になることを事前に会社側に確認させていただいております。もちろん、「とにかく復職させたいので、本人ができそうなプランをたてて欲しい」などのリクエストが会社からでることもあります。
ただ、前の職場以外なら復職したいという人の場合、前の職場の人間関係や仕事からまだまだ逃げたいと思っているように感じます。休職して会社から遠ざかった分回復したが、本人の内面での変化がないようでは、再休職となる危険は高いでしょう。
会社にも、本人にも負担となる再休職を避けられるよう、復職にはなるべく焦らず対応できればよいですね。

以上、あなたとあなたの会社のココロとカラダの健康管理にご活用いただけますと幸いです。

文責:武神 健之
一般社団法人ストレスチェック協会 代表理事
医師、医学博士、日本医師会認定産業医