こんにちは。私は主に外資系企業で年間1000人を超える働く人と、心と身体の健康相談をしています産業医の武神と申します。
私の緊急事態宣言以後の産業医面談は、電話(声のみ)やzoom等(顔を見ながら)で行なっておりました。
その内容は、緊急事態宣言開始前から新型コロナ感染症に関する質問や不安、
緊急事態宣言下での生活における在宅勤務や同居家族のストレス等の相談がありました。
そして、緊急事態宣言終了後、私は、業務時間の2-3割が実際に出社して仕事、残りは引き続き在宅勤務をしています。
そして引き続き、新常態への不安やストレスに関する働く人たちの声をきいております。
今回は、新常態の中で、メンタルヘルス不調になってしまう人とならない人の傾向の違いについて、お話させていただきます。
最近の産業医面談を通じてわかったことは、「新常態とは、人ぞれぞれにとって異なる」ということです。
例えば私のクライエントでは、6月から全員出社が始まった企業がある一方、9月末まで全社員在宅と決まった企業もありました。
このような極端な具合ではなく、6月は50%程度の出社率ではじめ7月から100%出社を目指す企業がある一方、
12月までは20%の出社率で調整することで決定した企業もありました。
出社がほぼ会社命令で絶対の(雰囲気の)企業もあれば、自由度が高く、社員の意思が尊重される企業もありました。
7/16現在、コロナ感染者数の増加と共に、在宅勤務を選ぶ社員が増えている印象です。
社員は社員で、出社することを、“在宅”からの開放と喜ぶ人、通勤を嫌がる人、業務が捗ると喜ぶ人、
仕事は家でもできるとわかり出勤を嫌がる人等々色々な声がありました。
総じて、週2−3日の出勤業務、残り在宅業務が最も多い理想のようです。
同じ会社においても、子供が家にいるので在宅を希望する人は多数いましたが、
そのお子さんが未就学児や小学校低学年から、高学年までと様々でした。
通勤時に無症状で感染し、同居する高齢ご家族やペットの猫へ移してしまうことを心配する声もありました。
本当に、色々な声を聴きました。
小1の子のために在宅を継続したいという社員と、中1の子や猫のために在宅でありたいと必死に主張する社員、様々な理由がありましたが。
このような面談者の声をたくさん聞く中で、私自身は、いずれにおいても、その社員個人にとっては、
その社員の価値観・ワークライフバランス観に基づく行動判断であり、
他人が正しいや間違いという尺度で測り判定できるものではないということを気がつかされました。