学びの習慣

みなさん、こんにちは。
キャリアコンサルタントの奥 富美子です。
日本ストレスチェック協会が全国各地で開催している
「ストレスマネジメントの入門講座~不安とストレスに悩まない7つの習慣」は、
協会代表理事の武神先生が産業医面談をしているなかで
同じようにハードな仕事をしていても、「不調になる人もいれば、元気で居続ける人もいる」ことに気づき、
「元気で居続ける人」が、どのような習慣を持っているのかを調べてまとめたものです。

だれにでも取り組みやすく、真似ができるものです。

ご紹介している習慣の7つめは、「新しい出会い」です。

「同じパターンにならないで抜け出してみること」、「非日常を味わうこと」、「新しい人との出会いを歓迎すること」、
「何か新しい習慣を始めてみること」そして、「新しい学びを得ること」をすすめています。

新しい知識を得たり、興味関心があるものを、さらに深めようと学んだりすることは自分を豊かにすることに通じます。
不安知らずストレス知らずの人は習慣としているそうです。学び習慣は、不安・ストレス対策になるのです。

さて、「働く人の学び」について考えてみましょう。
『どうすれば人は学ぶのか-社会人の学びを解析する-全国就業実態パネル調査2018』(リクルートワークス研究所)を見ると、
「自己学習をした人の割合は、33.1%」となっていました。

問いは、「あなたは昨年1年間に、自分の意思で、仕事にかかわる知識や技術の向上のための取り組み
(たとえば、本を読む、詳しい人に話を聞く、自分で勉強をする、講義を受講する、など)をしましたか」です。

この問いに、YESと回答した人が約3割で、約7割の人はこうした学びの行動をしていないそうです。

OJT、OFF-JTという会社が用意した学びの機会は、年齢を増すごとに下がっています。
20代前半には、「OJT:約5割、OFF-JT:約3割」で機会を得ていますが、
40代ともなると、OJT、OFF-JTともに、約2割となっています。
とすると「自己学習」が重要となってくるのですが、その実施割合は高くはありません。

「仕事に関連した学び行動をとらなかった理由」に、「今後、独立や転職を予定していないから:17.2%」
「仕事や家事育児などで、忙しいから:15.0%」となっています。

他に、「新たな知識を学んでも会社が評価しないから」「学び行動を取るための費用負担が高いから」などの項目がありますが、
一番多い回答は、「あてはまるものはない:51.2%」です。

約7割の人が自己学習の行動をしておらず、そのことに、特段の「理由はない」ようです。

それなら、理由の一つを「不安・ストレス対策」とし、「学び」を「新しい出会い」ととらえて習慣の一つにいれることを
おすすめしたいと思います。

調査を読み進めていきましょう。
「学びの内容と今後のキャリアの見通しが開けたか」の関係を調べています。
学びの内容として、
「学校に通った/単発の講座、セミナー、勉強会に参加した/通信教育を受けた/eラーニングを受けた/本を読んだ/インターネットなどで調べものをした/詳しい人に話を聞いた」が提示され、複数回答しています。

これら項目のうち、「単発の講座、セミナー、勉強会に参加した」は、「20代:2.67%、50代:2.71%、60代:2.78%」、
そして、「詳しい人に話を聞いた」が、「20代:2.62%、50代:2.71%、60代:2.72%」と、
キャリアの見通しとの関係に高い数値を示しています。

どうやら、「人と接する」ことが、キャリアの見通しを明るくすることのキッカケとなっているように感じます。
「人に話を聴く、聴きに出かける、学びの機会に参加する」と、社内外問わず、人との接点を持つことが重要のようです。

キャリアの見通しが立たず、先が真っ暗闇に思えてしまったら不安が増します。
キャリアの見通しを明るくするためにも、「学び」は重要です。
それは「人との接点を増やす」ことを糸口にできそうです。不安・ストレス対策としての「学びの習慣」は、キャリア形成にも結びつく。
そんなことを、「ストレスマネジメントの入門講座~不安とストレスに悩まない7つの習慣」で、みなさんと一緒に語り合えたらと思います。

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奥 富美子(おく ふみこ)
国家資格キャリアコンサルタント 
きゃりあす 代表
https://www.career-as.com/
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