みなさん、こんにちは。
キャリアコンサルタントの奥 富美子です。
男女別・ストレスレベル別に「居心地のいい居場所」の有無を聞いた調査結果
『ココロの体力測定2017』(株式会社メディプラス研究所「オフラボ」2018/1発表)をみました。
タイトルは、『定年後60歳以上の“居場所難民”は高ストレス』です。
全国の20~69歳の男女各7万人を対象に調べたそうです。
①20~59歳と、②60~69歳の、2つの年代グループの比較でまとめられています。
男性も女性も60歳を超えると、居場所の数は「1か所以下」です。
まずは、定年後の居場所を1か所以上つくることが重要のようです。
ストレスレベルにかかわらず、
いずれの年代においても男性より女性の方が居場所の数が多く、
女性の居場所数平均は、「1.9か所」ですが、男性の居場所数平均は「1.1か所」です。
低ストレス群をみると、
①20~59歳では、女性の居場所数が「3.0か所」なのに対し、
男性の居場所数は「1.6か所」です。
②60~69歳では、女性は「2.6か所」、男性は「1.7か所」です。
高ストレス群をみると、
①20~59歳では、女性は「1.3か所」で、男性は「0.7か所」です。
②60~69歳では、女性は「0.7か所」、男性は「0.4か所」です。
「行くところがあってよかった」と言って、
定年退職をした男性が毎日ハローワークにやってきます。
退職すれば、昨日までしていたようにスーツを着て通勤ラッシュの電車に乗って
会社に出勤することは、もうできないのです。
「行くところがある」とは、
「所属がある」ことであり、「やることがある」ことでもあります。
「定年退職したらゴルフ三昧で生活する」と言っていた男性です。
はじめは楽しかったそうですが、3年くらいで続かなくなりました。
それぞれの都合もありゴルフ仲間が減ってきたのです。
仕事でもしようかと思い立ちましたが、仕事は決まりません。
3年のブランクのある人には、だれも声をかけないのです。
仕事を紹介してもらえるような人脈は、仕事を通じてつくるものです。
「ゴルフつながり」だけの関係では仕事の紹介はむずかしいでしょう。
「定年退職したら地域の活動でもするか」と、
地域コミュニティに入ることを簡単に考えていた男性です。
これまで、子どもたち3人の学校のこともノータッチで過ごして来ました。
その分妻は、3人の子どもの成長とともに地域に根をはり、
人間関係も活動の幅も広がり、地域を歩いていれば、すぐに知り合いに出会います。
そんな妻の後をついて、地域活動の場にはやってきますが、
うまくコミュニケーションが取れない男性は、所在なさげになりそそくさと帰ってしまいます。
家にいてもやることがなく、妻の家事に文句をつけている定年退職後の男性です。
現役時代は管理職でした。
料理や掃除などの家事へのコメントは、
妻を指導し育てているつもりのようですが、おおきな勘違いです。
妻は部下ではありません。
「自分で料理ができる、掃除ができる」ことが自律・自立です。
だれもが、自分の人生を自律・自立して生きていくことが大切です。
定年退職後の「自律・自立力」を、現役時代から養っておく必要が、とくに男性にはある気がします。
「居場所難民」となって、高ストレスを抱えて生活するのは本人もつらいでしょうし、
一緒に過ごす家族も負担となります。
はじめるのに早すぎることはありません。
定年後までを考えて、いまを過ごしましょう。
定年後の「居場所」は、現役時代に培った人的ネットワークが支えるのです。
「定年後に行くところ」「定年後にやること」は、現役時代につくっておくのです。
定年後では間に合いません。
日本ストレスチェック協会のストレスマネジメント入門講座『不安とストレスに悩まない7つの週間』では、
「定年後の居場所」を意識した「今」を見つめることを提唱しています。
「居場所」の入り口は、「好きなこと」です。
不安・ストレス対策の一つである「好きなことをする」は、実は「居場所」とつながりがあります。
そんな話をぜひ聴きにきてください。
講座でお待ちしています。
奥 富美子(おく ふみこ)
国家資格キャリアコンサルタント
きゃりあす 代表
https://www.career-as.com/
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