ストレスに悩まされない人のもっている習慣 好きなことをする

 メンタルヘルス不調者が増加している現代はストレスが多い時代と言われています。
しかし、まわりから、「あの人は大変そう」と見られていてもストレス知らずの方もいます。
そのような人たちは多くの場合、好きなこと=趣味をもち、
そして忙しくても趣味の時間をしっかり持っています。

 ワクワクする趣味を持っていると、
その趣味に費やしている間は、嬉しい、楽しい、気持ちいいといった感情に浸ることができます。
また、好きなことをしている時は誰でもそれに集中していますし、夢中になっています。
イヤなことがあっても、その間は忘れられます。その瞬間、その人はストレスから解き放たれているはずです。
例えば、テニスをしている時に、ボールを追っかけながら、仕事のことは考えにくいですね。
 そういう時間があると、心も身体もリラックスできます。これはメンタルヘルスにとって、とても大切なことです。

 好きなことをする効果は他にもあります。
 好きなことをしてるとき、人はポジティブな感情につつまれ、その繰り返しによって自己肯定感が高まります。
自己肯定感が高い人は、ストレス耐性も高いのです。
 また、好きなことをやった日は、寝つきが良いです。
適度に疲れて、適度にリラックスできて、適度に満たされていて、よく眠れるのです。
 
 さらに、好きなことをする仲間やその場は、あなたのサードプレイスにもなり自己アイデンティティを守ってもくれます。
 忙しい人ほど家と会社の往復になりがちです。会社の中にしか自分の居場所=アイデンティティがないと、
会社でうまくいっている時はいいのですが、いったん会社でヘマをすると、自分を見失ってしまいがちです。
そういう時でも、好きなことを持っている人、例えば「少年野球の助監督」や「囲碁仲間がいます」という人には、
自分のアイデンティティを保てる場所があり、安心です。
 

 このような話をすると必ず、「忙しすぎて、好きなことをやる暇などない」と言われます。
しかし、1日24時間、何にどれくらいの時間配分をするか、優先順位を付けるのはあなた自身です。
 好きなことをするために、仕事を効率良くやって何とか時間を作っている方はストレス知らずです。
忙しい中、ほんの少しだけでもいいから、「自分が夢中になれることをやる時間を作る」ということを意識してみてください。
その頻度が多ければ多いほど、ストレスが遮断される時間が多くなります。

 あなたには好きなことがありますか?いずれにしても、行動することが大切です。とにかく今すぐやってみましょう!

文責:武神 健之
一般社団法人ストレスチェック協会 代表理事
医師、医学博士、日本医師会認定産業医