“ブルーマンデー”あなたは どう乗り切る?

 「明日からまた仕事か…」
 「今日からまた一週間、会社通勤か…」

 日曜の夜や月曜の朝、以前より増えた3連休明けの初日…誰しも一度はこんな憂鬱な気持ちになった経験はあるのではないでしょうか。

 月曜日の朝に強い憂鬱さに襲われる現象は「ブルーマンデー(憂鬱な月曜日)」と呼ばれていますが、前日(日曜日)の夜から憂鬱になってしまうこともあり、別名「サザエさん症候群」と呼ばれることも。

 改めて注目を浴びている“ブルマン”対策。個人として、企業として、どのように対処していけばいいのでしょうか? そこには、意外と簡単なコツや心がけがあるようです。

 実はこのところ、私の仕事の一つでもある、全国からの電話カウンセリングの予約の傾向にもちょっとした異変が起きています。

 それは、今まで週末や平日の夜など、比較的予約が重なる曜日や時間帯の傾向がありましたが、この1,2ヵ月は何故か月曜日に多く集中しているのです。10分前まで予約可能なシステムなので、元々直前の予約がほとんどですが、どういうわけか その急な予約が、月曜日に集中する傾向が出てきているのです。

 たまたま休みだったという場合もあるでしょうが、どうもそれだけではなさそうです。

 一体、この現象の原因は何だろう?と思案していたところ、各方面からの報告やニュース記事が次々に目に入ってきました。

5割がよく「ブルーマンデー」になると回答

 暮らしや住まいの情報を扱う「オウチーノ総研」の「『ブルーマンデー』実態調査2014年」
http://www.o-uccino.jp/article/archive/omoshiro/20140624-souken/
によると、回答者の42.8パーセントの人が、日曜夜や月曜朝に憂鬱になると回答し、全体の46.8%の人が、1週間の中で月曜日が最も憂鬱と回答しました。そして、次に多かった曜日が水曜日。これは「だんだんと疲れがたまってきて、休日まであと2日もあるのか」と思ってしまう人も多いためと。

 月曜日という週の頭が印象付けている、この負担感は、実際に多くの人の心や身体を蝕んでいるようです。

 厚生労働省がまとめた「2017年版 自殺対策白書」では、男女ともに月曜日の自殺者が最も多く、職場での腰痛も月曜日に最も多く発生。腰痛は、心理的な要因もきっかけになることが知られています。また、脳卒中や心筋梗塞が月曜日に発症しやすいとの調査結果もあります。

ブルーマンデーはどうして生じるのか?

 なぜ、ブルーマンデーは生じてしまうのでしょう?単に仕事が嫌だから起きるのでしょうか?もし、仕事が嫌だから憂鬱なのであれば、月曜以外も同じく憂鬱であるはずですし、曜日による差は生じないでしょう。

 ブルーマンデーは仕事が嫌だという気持ちだけでなく「楽しい休日」と「辛い仕事の日」のギャップが引き起こしているのです。つまり休日を楽しいと感じれば感じるほど、そして月曜日を嫌だと感じるほど、ブルーマンデーの憂鬱さは強まる、ということです。

ブルーマンデーは 正常な心理反応

 ブルーマンデーが生じる原因を明らかにしていくと、月曜朝の憂鬱な感情というのは特別異常な心理状態ではない事がわかります。

 仕事には責任が伴う以上、どうしても大変さや苦痛といった「ストレス」が伴います。

 「仕事がたのしくて仕方がない」という方もいらっしゃいますが恐らく少数派でしょう。

 因みに私は、個人事業主として、また小さなNPOを立ち上げてこの5年程、週末や連休などという曜日や祝祭日による休みというものが無くなってしまったので、幸か不幸か曜日による気分の変化は殆どありません。それ以前から極力、曜日によって朝起きる時間を変えないよう努力していたこともあり、曜日による急激な心身のダメージを受けづらい生活スタイルが出来上がってしまっているようです。

 話を戻しますが、休日は多くの人にとって楽しみや安らぎを感じるものです。楽しい休日と仕事の辛さとのギャップから生じるのであれば、それは当然の反応であり、この反応をゼロにすることは難しいことです。それを「悪いモノ」として排除しようとしても、かえって憂鬱さは悪化してしまうでしょう。

 そのためブルーマンデーの憂鬱さに対する基本的な考え方として、この憂鬱さをゼロにしようとしない事です。ある程度の憂鬱さが生じてしまうのは仕方がないことであり、これは正常な反応なのだということを受け入れることから始めましょう。

ブルーマンデーはどう乗り切ればいいか

 某メンタルクリニック院長は、ブルーマンデーの憂鬱さを「大きな支障がない程度に和らげること」は、工夫次第で充分可能と言います。月曜日の辛い気持ちが少しでも和らげば、心へのダメージも軽くなるでしょう。では、ブルーマンデーを和らげる方法を紹介します。

 1.月曜日に大変な仕事を入れない
 2.日曜の夜は落ち着いて過ごす
 3.しっかりと睡眠をとる
 4.憂鬱さを「受け入れる」
 5.平日に小さな楽しみを作る
 6.休日に仕事の事を考えすぎない
 7.休日の予定を立てる
 8.月曜に限らず朝が憂鬱な時は専門家へ

 以上の比較的シンプルで簡単なコツを頭において過ごすだけでも、月曜朝の気分が変わるかもしれませんね。又、どの専門家も共通して言われることは「睡眠」に関してでした。

 働く人の心の健康(メンタルヘルス)は、多くの企業や組織の重要な課題でもあります。

 心身の健康管理は、従業員個人が取り組む問題としてだけではなく、経営全体のテーマとしても認識され始めています。従業員の健康に配慮する「健康経営」を掲げる企業も増えてきました。

 月曜に営業成績を報告するような苦痛を伴う長時間の会議を廃止し、月曜の午前中に社員向けグルメイベントを始めた会社もあります。また、温泉や美しい森林などの「健康保養地」を意味する「クアオルト」事業に取り組む地域へ日曜日に会社全体で行き、社員の健康づくりを支える健康経営の一環として、ブルーマンデー対策に取り組んでいる企業も出てきました。森林の中を歩いた後は 「リラックス感」や「はつらつ感」が高まり、効果が翌日以降も続く傾向があったといいます。今後、こうした企業の取組みも“ブルーマンデー”対策として取り入られることを期待します。

 個人のちょっとした心がけや、企業を上げての画期的な取り組みが、“ブルーマンデー”から、本当の意味での“ハッピーマンデー”へと変わることを切に願います。

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荒木 三香(あらき みか)
カウンセラー/ 色彩心理コンサルタント
Couleuve -クルーヴ- 代表
URL: http://www.couleuve.com/
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