男子フィギュア世界選手権でみるストレスをバネに

皆さんこんにちは、桜の満開も徐々に北に上がってきています。桜の花の下、おいしい料理とお酒でお花見をされている方も多いと思います。いつもの忙しい日々には見過ごしがちな、きれいな公園と、その維持のため掃除や整備に関わる方々への気づきも大切にひと時を過ごされたら、より楽しく清々しい気持ちになれるのではないでしょうか。

さて、今回は春の話題というより先日行われたウインタースポーツのフィギュアスケートで思うところがあり筆をとりました。 
 

ゾーン

おおよそ、スポーツの類で好成績を残した時、その方々は何か一時的に「ゾーン」と呼ばれる状態に入るといわれるそうです。ちなみに、この定義を知ったのはハードル走者で名を馳せ、スポーツコメンテーターなどで活躍されている為末さんがご自身で書かれた本やインタビューで語っているのを目にしたのがきっかけです。もう少しかみ砕くとマラソンなど特定の種目でいえば「ランナーズハイ」と言ったり、スポーツでなく坐禅などでは「禅定」と言ったりし、無意識の中で最高のモチベーションが発揮できる状態です。

今回、男子フィギュアの日本代表羽生さんがショートプログラムで完璧な演技をたたき出したのはこのゾーンに入っていたのものなんだろうと推測されます。推測とお書きしたのは、あくまでこの「ゾーン」の状態に入っているかいないかは本人の自覚症状のみでわかる感情のあり様だからです。

フリーでの逆転

さて、もう皆さんもご存知の通り、決勝戦では羽生さんは明らかに緊張しており、はたから見ても先ほどの「ゾーン」には入っていないと思われます。それを証明するのに演技後のご本人のインタビューでは「体や精神状態のバランスが、うまく取りきれなかった」、「ずっと緊張していた」と答えていらっしゃいます。
一方、優勝したセルビアのフェルナンデス選手のフリーの演技はご自身を解放され、演技の途中から客席が立ち上がったような素晴らしい物で、多分「ゾーン」に入っていらしたのかなと思います。

トップアスリートでも

以上のように、トップアスリートでも感情の面、特にストレスの観点から見ると、その日その日のコンディションや環境要因、自分を鼓舞する何かがそろって初めてパーフェクトな状況を作り出せるのだということを改めて肌で感じることができました。

また、ストレスという言葉で語るとなにか「負」のイメージがつきまといますが、「心的負荷」という言葉に置き換えると、これに反発する力として先のショートプログラムでの羽生選手、フリーでのフェルナンデス選手のような「正」のパフォーマンスの要因につながり、マイナスからプラスのイメージに転換できるのだと再認識しました。

日々の生活での応用

一方、これは日常生活にも応用できることで、ストレスを抱えているだけという状況を自分の中で位置づけし、次につなげる一歩としてどのように考えられるか、心の持ちようによって大きく違ってくると考えました。
そこで、ストレスを抱えたとき、まずはご自身の置かれた状況を感情的にとらえるだけでなく、事実の位置づけを行い、次の一歩につなげるキーを探してみませんか。そうすることによって、ストレス原因はなくならないかもしれませんが、ストレスと上手に付き合える自分が見えてくる可能性があります。是非、ストレスをマイナスイメージだけでとらえるのではなく、ご自身の成長や喜びのツールとして考えるという発想もあるのだなと思っていただければ幸いです。
 
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高﨑 陽介
横浜市内介護サービス事業者勤務人事担当
勤務特定社労士
http://blog.goo.ne.jp/fiveten46
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