メンタルヘルスへの対応~褒め方女性編

皆さんこんにちは。といってもまだ朝4時です。40歳を過ぎて眠りが浅く、早起きしてしまうのですが、大変有意義な時間になっています。今週は東日本大震災から5年、東京大空襲から70年以上東京に住んでいる私にとっては、平和への祈りと生かしてもらっていることへの感謝をすることができる時間だからです。一方、寒暖の差が激しく今もこたつでこれを書いています。皆さんも風邪などひかぬようご自愛ください。

さて、前回は日本ストレスチェック協会の「メンタルヘルスファシリテーター」の養成講座の開催告知と講座における、メンタルヘルス不調者と対峙する際の技術や心構えが多く学べる点であることをご紹介しました。その中で「褒め方」の技術も学べることをお話ししており、この「褒める」対象である人物の性別でかかわり方が違うのかを調べ、男性編をご紹介しました。お読みいただいた皆さんいかがお感じになったでしょうか。

「女性脳」

さて、前置きが長くなりましたが、今回は女性編です。色々と調べると「女性脳」という言葉にたどり着きました。これは「女脳は物事を主観的、感情的に捉える傾向がある」という事です。男性とは違い、一般化して問題をとらえるより、一人一人が自身のこととして、思いを発露する傾向にあるという事のようです。

なるほどなぁ、と思う一方でこれは結構難儀な(特に男性が女性に接するには)問題だなとも思いました。前回と同じく、今からの話は一般論です。ジェンダーなど性差による対応が違ってくることを前提にお読みいただけばと思います。
「主観的かつ感情的にとらえるという事」は、事実をそのまま褒めてもどうやら相手には響かないようです。では、どんなフレーズで考えればよいのでしょう。

事実行為とそれに伴って相手の感情を揺さぶる褒め方を同時に行うのが良いのでしょうが、これは十人十色でしょうし、機嫌のいい日もあればそうでない日もあるので、個々人の性格などを考えてこまめな声掛けや感謝の意思を伝えるしかないのかもしれません。そこで、私の経験則から、うまくいっているかわかりませんが、一例をご紹介できればと思います。

「髪を切った」という事実行為に対しての対応です。

ここでいきなり、「雰囲気変わってよくなったね」はNGです。先ほどもお話しした通り自身の行為に関して主観的・感情的にものを考えていますから、こちらの思いを素直に伝えると、相手の思いとバッティングしてしまう、つまり「髪を切った行為」を悔やんでいる場合もあることを想定しておく必要があります。

そこでこの例だと「髪切りました?!」とまずは事実行為の確認をします。これで相手は自分に関心があるという、関係性が構築されます。次に女性側がその髪を切った行為を自分でどう消化しているかの答えを待ちます。「あら、気づいてくれたのね。よくなったでしょ?」という人もいれば「あら気づいてくれたのね。でもなんかいまいちな気がするのよね」という回答もあるかと思います。そこで、それぞれの思いに寄り添って「よくなった方」には、「よい感じにまとまってよくなりましたね。」、「気にしている方」には、「お気になさっているほどは私には違和感ないと思いますよ」と答えるわけです。いずれも女性の発露した思いに「共感」している点がキーワードです。結果的に、女性の場合には思いを引き出し、次にその事実に寄り添うのが良い結果を生みました。

男性にとっては気にしないことを、女性は消化不良で悩んでいる可能性があります。ですから「事実確認から共感へ」のワンセットが、良い気がします。

いかがだったでしょうか。前回今回と性差による褒め方の事例を挙げてみました。二つの原稿を改めて読み返すと、性差ではない一つの答えが私の中に芽生えました。それは「あなたに関心がある」という事をいかにうまく伝えるかがポイントになってくる点です。良好な人間関係は「他者への関心」からスタートします。是非皆さんもこれを機会に「他者への関心」を考え実践してみてはいかがでしょうか。

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高﨑 陽介
横浜市内介護サービス事業者勤務人事担当
勤務特定社労士
http://blog.goo.ne.jp/fiveten46
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