小太り産業医と人事担当者
人事担当者：「先生、そろそろストレスチェックテストを依頼する業者を決めませんか？」
小太り産業医：「そうだね。人事担当者さんはどこか目星つけてるの？」
人事担当者：「それが・・・、いろんな会社から営業攻勢が凄すぎて困ってます。どうしたらいいですか？」
小太り産業医：「まず最初に会社として、やること・やらないことを決めよう。業者を選定するポイントはたくさんあるんだよ。業者の言いなりにならないようにしないとね。」
人事担当者：「どこの会社も良いことばかり言ってきます。見極めなくてはいけませんね。」
ストレスチェック（SC）義務化があと半年ほどに迫って、人事担当者の所にはいろんな業者からの営業攻勢がかけられてるのではないでしょうか。玉石混淆の業者から自社に適したシステムを探し出すのは至難の業です。
担当者として業者の口車に乗らず、主体的に業者を選定するポイントに”少しだけ”お話しします。
会社として主体的にSCT業者を選ぶためのポイントを簡潔に述べます。
１）有料か無料か？
とりあえず、ビール！、じゃなかった。とりあえずSCT！なら、無料で良いでしょう。
厚生労働省は無料SCTを近日中に発表すると行っています。このシステムを使用するのも手です。他にも無料SCTを提供してくれる業者もあり、私が所属する日本ストレスチェック協会でも無料のSCTシステムを鋭意開発中で、近々皆さんにお見せできると思います。
有料サービスにした場合、費用対効果を考えなくてはいけません。一人につき費用はどのくらいまで掛けられるのか？集団分析は無料で行ってくれるのかなどなど。いろんな会社（SCTを提供する側、される側）から聞いて、なんとなく相場感はありますが、いろんな事情でここでは具体的な費用の明言は避けます。申し訳ないです。
２）提供業者のバックグラウンドを知る
SC制度が叫ばれるようになってきたのが平成22年ぐらいからです。それ以前からメンタルに携わってきた業者は信頼できるでしょう。反対にSC制度が法制化されそうになって、タケノコのように業者が出てきました。特に注意すべきは新規事業としてSCTに参入してくる業者ですね。SCTを提供する業者の中にはEAP業者だけではなく、メンタルの「メ」の字も扱ったことがないソフトウエア会社や会計・税理士事務所が売り込んで来るようです。営業マンにバックグラウンドの企業やアフターサービスなどについてしっかりと聞いてください。
産業医も紹介してくれるのであれば、産業医とも面談してみましょう。
３）セキュリティレベル
これが最も大切かもしれません。
・セキュリティレベルを段階的に設定できる ： データ閲覧のため実施者、共同実施者、実施事務従事者などを分けてIDを発行できる。
・データの管理について ： 会社のサーバー？提供業者？それとも実施者？
→会社に取っては提供業者が責任を持って管理してくれると助かりますよね。
SCT施行業者を選ぶ際に、現段階で私が考える最も大事な3つを挙げました。まだまだ、書きたいことは多くありますが、大人の事情で難しいです・・・。
具体的かつ実践的に業者を選ぶ方法をお聞きになりたい方は当協会主催のセミナーへどうぞ。
ストレスチェックテスト指針発表後、ここだけの話
http://jsca.co.jp/20150528seminar/
【日時】 2015年5月28日木曜日 10時-17時（−19時）
【場所】 日本橋界隈（詳細はお振込確認後にお伝えさせていただきます）
【費用】 通常チケット 1名様で1万円（税別）
【費用】 特別チケット 1社2名様で5万円（税別）
【9:30-】 開場
【10:00-12:00】 企業のリスクマネジメントの観点からみたSCTの7つのポイント、規定・規約について
【13:00−13:30】 SCT概要:SCTの背景を理解し、やらないことはやらないと判断する、2つのSC、3人の産業医
【13:45−14:45】（衛生委員会等で）会社が決めるべきこと、やらなくてもいいこと、”望ましい”SCT、紙とIT
【15:00-15:45】 3つのSCT計画具体例：最も安く、最もブラックに、最も優しくSCTを行う方法。実際に産業医がクライエント20社に導入するパターンとは？
【16:00-16:45】 SCT後のメンタルヘルス対策：SCTで生じ得るリスクにどう対処するか
【17:00−19:00】 グループコンサル：5社10名様に対しての具体的・実践的質疑応答*1
*1：グループコンサルティング申込者のみ
文責：新井 孝典
一般社団法人ストレスチェック協会 理事
日本医師会認定産業医・労働衛生コンサルタント
株式会社なごや産業医事務所代表取締役
https://www.facebook.com/dr.occupational.physician