変化が怖い時

早くも新年度となり、
仕事や家庭などでの環境変化が多い時期ですが、みなさまいかがお過ごしでしょうか。

転勤、引越しがあった方も多いことでしょう。

今年は我が家も、長男、次男がそれぞれ小学校入学、
幼稚園入園と、新生活を楽しみにしている反面、
なにかと落ち着かない日々です。

環境の変化はそれが出世や結婚など一見喜ばしいことでも、
実はストレスや疲労の原因となっていることもあります。

いわゆる「5月病」もこうした環境の変化によるのではと言われています。
なにか変化があったときは、少し注意が必要かもしれません。

なぜ変化がストレスとなるのか、と言うことの原因のひとつに、
「脳は変化を嫌う」と言われています。
野生動物的な感覚では、なるべく環境が変化せず安定していることが生命を守ることであったため、
脳は変化を嫌うそうです。

変化が生じたとき、そこに大なり小なり恐怖の感情が生まれます。
恐怖は大脳辺縁系にある偏桃体で感じています。
この大脳辺縁系は脳の中でも古い脳と言われ、危険から身を守るための闘争・逃走反応を司どっています。

闘争・逃走反応は身を守るために必要な反応ですが、
日々様々に変化する現代にあって、
変化に対し、恐怖の感情優位に常に反応し続けることは
ストレス、疲労につながります。

また、恐怖で反応するために、せっかくのチャンスを逃してしまう、
成長の機会を避けてしまう、ということも起こり得ます。

では、どうしたらいいのか、ということですが、
まずは、変化に恐怖やストレスを感じたとき、
「脳が変化を嫌がっているな」「大脳辺縁系が反応しているな」と、
意識的に「脳のせい」にして考えてみることです。

そうすると、自分を客観視できます。

この時、恐怖を感じる大脳辺縁系ではなく、
理性的な考え方を司る新しい脳「大脳新皮質」が働き、
より生産的なアイデアが生まれやすくなります。

様々な変化のただなかにあって心せわしく感じるとき、
ぜひ時々立ち止まって、
「今、古い脳と新しい脳、どちらを使ってるかな?」と考えてみると、
結構気分が変わって面白いですし、冷静になれるのでおすすめですよ。

--------------------------------
川住幸子  日本医師会認定産業医

仙台かわすみ産業医事務所(合同会社メディカルロゼ)代表
http://medicalrose.co.jp/
--------------------------------