災害について考える。

先日、震度5弱の地震で目を覚ましました、北関東では大雨による災害が続いており、本水害で被害にあった方々におかれましては、お見舞い申し上げます。

災害の今昔

私の幼少期の頃は、地震や水害もありましたが、東京にいたのでこれほどまでの自然災害があった記憶はありません。
また東日本大震災や阪神淡路大震災などが起きる前は、9月1日の関東大震災の日が防災の日で、夏休み明けの避難訓練が災害について考える唯一の日だったと記憶しています。
しかしながら、東日本大震災が契機となり、日本国内でも防災意識が高まり、私の勤務先でもBCP(緊急時の事業継続)を策定する作業などを行っています。私の会社は高齢者の方がお客様の福祉業界なのでなおさら力を入れて検討されています。

地球規模の災害

ところで、先ほども触れましたが、東日本大震災をはじめ、九州の大雨、海外に目を移せば、中国やチベットの大地震、マレーシア、インドネシアの大津波等と甚大な被害がでる自然災害が発生しています。
二次災害の観点から言えば、原子力発電所のあり方を考える機会にもなっています。
地質学・気象学者の方は、「人間」の経済活動によって地球を壊しているというとおっしゃり、マスコミもこの発言になぞらえ自然破壊を大きく取り上げます。
しかし、本当にそうなのでしょうか?いろいろな事象は地球年齢何十億年のうちの一部です。もちろん短期的に見れば自然災害でなく人災と言えるものもあるでしょう。言い方を変えれば「母なる地球」にとっては何十億年の一部分でしかないわけです。
つまり、「人間」を中心に地球を見れば災害でも、地球を主人公にすれば、なんでもないことなのかもしれません。

されとて災害対策

話が大きくなりましたが、そうはいっても心配ですね。震災などで大きな心の傷を負ってしまったり、時にはPTSD(心的外傷後ストレス障害:命の安全を脅かすような、天災や事故などで強い精神的ショックを受け、生活していくうえで精神障害をもたらしてしまうストレス障害)を発症したりする方もいらっしゃいます。
そこで、日ごろの防災対策ですが、私が皆さんに提案したいのは、物的準備と心的準備です。
前者は、いわゆるライフラインの確保、避難用具の準備、避難経路の確認等になりますが、これは近年準備をされる方が多いと思います。
後者についてはどうでしょう?心の準備って何?そんなのわからないよ、という方が多数なのではないでしょうか。
結論から申し上げると「最悪のシナリオを思い描いてみること」です。たったこれだけです。つまり「想定外を頭にインプットしておく」ことが重要です。
ことわざで「備えあれば憂いなし」は心の場合も一緒です。
この話をすると、そんなことを考え始めたら夜も眠れないといわれる方がいます。しかし、自然災害は確率では測れますが、あくまで確率です。つまり「思い悩み続けるのは無駄なので諦める」事も必要です。私も、東日本大震災の直後は、「あぁ、また来たらどうしよう」と最悪のシナリオを考え続けてしまいました。しかし、時が経つにつれ記憶は風化し忘れてしまう事が多いと思います。
災害直後に「想定外」を考えるのでなく、日常で少しの防災意識を高め「想定外を考える機会」を持つ回数を少しずつ増やしたらどうでしょう。徐々に心の準備が出来てくるはずです。
最後に一つだけ付け加えると、想定外が想定内に変わるのは良いのですが、心は準備できても、物的準備がおろそかになってはそもそも助かる命がなくなりません。是非、自転車の両輪のごとく両方の準備をしてみてはいかがでしょう。

高﨑 陽介
横浜市内介護サービス事業者勤務人事担当
勤務特定社労士
http://blog.goo.ne.jp/fiveten46