みなさん、こんにちは。キャリアコンサルタントの奥 富美子です。
一般社団法人日本能率協会の2019年度新入社員意識調査<ダイジェスト版>(2019/04/16発表)によると、
「『今の気持ちを漢字一文字で表す』に、『不』が増加した」とありました。
「1位:新、2位:挑、3位:努」は、前年も同じです。今年は5位に「不」です。
「『不安』な気持ちが表れているのかもしれない」と解説が載っていました。
また、「これから仕事をしていく上で、どのようなことに不安がありますか」の問いに対して、
「仕事での失敗やミス」と、「上司・同僚など職場の人とうまくやっていけるか:職場での人間関係」が、
共に「43.0%」で1位でした。3位は、「仕事に対する現在の自分の能力・スキル:29.9%」です。
同じことを、新入社員を主に受け入れる人事・総務・管理系の担当者・上司に聞いています。
「職場での人間関係」は、新入社員同様に上司も第1位です。
新入社員が気にしている「仕事での失敗やミス」は、上司は7位。「自分のスキルや能力」は、8位です。
新入社員が気にするほど、上司は、新入社員の失敗、スキルや能力を気にしていないといえましょう。
新入社員ですから、仕事のスキルや能力が未だ身についていないのは当然です。
「新入社員なんだから、失敗もする。ミスもある。それが当り前だ」と教えましょう。
「やったからこそ経験する失敗やミスである。ここから学ぶところに成長がある。
やり続けることでスキルが身につく」と伝えましょう。
「失敗したっていい。恐れずに試してみればいい」と言ってあげる人が必要です。
どこが不安か、よく話を聴いてあげることも必要です。
抱える「不安」を誰も分かってくれないと、職場や上司への「不満」と、気持ちが変化するかもしれません。
周囲の先輩社員や上司たちが、「不安」を取り除くサポートをしてあげると、
「漢字1位:『新』しいことに、2位:『挑』戦する」が、より増えるのではないかと思います。
大学生から社会人に移行させるのが新入社員研修です。
内定者研修のときは、まだ「学生」であることが許されている時期での受講ですが、新入社員になったら別です。
しかし、座学研修のときは、まだ大学生感覚が残っているかもしれません。
「教室で静かに話を聴き、試験を受ける。試験は100点に近い点数を取りたい。
少なくとも85点以上でないと、『みんなと同じ』になれない気がする」と、
こんなことを頭の中に巡らせているのだろうと想像されます。
研修期間中なのに、「同期のみんな」と比べたくなるのが、新入社員の特徴でもあります。
学生時代の成績のような「分かりやすさ」はありません。気にし過ぎると「自分がダメ」に見えてきます。
失敗を恐れて「何もしない」のではなく、まずは、「失敗もあるかもしれないが、やってみよう」と挑戦し、
「自分の経験を得る」そして、「経験をふりかえり、より良くするにはどうしたらいいか、自分で考える」ことの大切さを、
分かってほしいものです。
早いうちに「不安」が解消されるよう、上司を含め、周囲の人たちの言葉かけが欠かせません。
日本ストレスチェック協会のメンタルヘルス入門講座「みる・きく・はなす技術」では、
「はなす技術」とは、「期待を示す」×「任せる(主体性)」であるとお伝えしています。
新入社員のこれからに期待し、育ってほしいと思うからこそ、
「失敗はあって当然。学びとなる。新入社員の失敗なんて気にしない」と、上司は考えています。
しかし、その思いを上司の胸に秘めたままにしていては、相手には伝わりません。
「言葉にして伝えること」が重要です。
人を育てる「上司」が持つ「コミュニケーションの基礎力」を再確認する講座として、
「みる・きく・はなす技術」はおすすめです。
また、自分自身の「不安」に対処する方法を学ぶには、
「不安とストレスに悩まない7つの習慣」があります。学ぶことで「不」の解消につながります。
奥 富美子(おく ふみこ)
国家資格キャリアコンサルタント
健康経営アドバイザー
きゃりあす 代表
https://www.career-as.com/
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