ある出来事に対して抱く感情が、自分にとっては当たり前と思っていても、他の人は全く違う感情を持つことがあります。
案外、こうしたことは多いものですが、自分にとってあまりにも「当たり前」になっていると、
他の人との考え方との違いに驚いたり、その違いをストレスに感じることがあります。
そんな自分の「考え方の癖」、気づいたことはありますか?
例を挙げて考えてみましょう。
AさんとBさんが信号待ちをしていました。
すると、一緒に信号待ちをしていた知らない人が、信号を無視して渡っていきました。
Aさん:「信号無視するなんて、許せない!」
Bさん:「急いでいたのかな。別にいいんじゃない」
同じ出来事を目撃してもとらえ方は全く違います。
どちらが正しい、ではありません。
AさんとBさんで考え方の癖が違う、ということです。
この「考え方の癖」は良い面、悪い面、両面持っています。
例えば、Aさんは、非常に正義感が強い人なのかもしれません。きちんとルールを守ることは大切です。
しかし、この「正義感」があまりに行き過ぎると、些細なことでも規範や計画から逸脱していると許せず、
イライラすることが多くなるかもしれません。
周囲から、融通が利かない、と言われてしまったり。
Bさんは、おおらかで人の立場になって考えられる人なのかもしれません。
しかし行き過ぎると、いい加減さ、につながる場合があります。
周囲から、いい人だけど、責任感がない、なんて言われているかもしれません。
このように、どんな考え方の癖も、行き過ぎれば悪い面が目立ってくる可能性があります。
もし、自分が同じようなパターンでイライラしたり、周囲とうまくいかないな、と感じるときは、
もしかしたら、自分の固定観念にとらわれすぎていないか、考えてみるのもよいと思います。
ちなみに私は、「仕事を溜めたくない」という癖を持っています。
手早く仕事を終わらせるのはいいことなのですが、仕事が多くて溜まってくると、イライラしてくるのです(笑)
そして、早く終わらせたいあまり、やっつけ仕事になってしまいます。
仕事が溜まってイライラしたり、やっつけ仕事になっているな、と気づいたとき、
これが自分の癖で、悪い面が出ていると考えると、ちょっと一呼吸おいて、
気持ちを落ち着かせて、また仕事を再開することができます。
そんな風に、自分の考え方の癖の良い面・悪い面を把握しておくことはストレス軽減につながると思いますので、
ぜひ、自分の癖を探してみてください。
自分がどんな癖を持っているかわからない時は、周りの人に聞いてみてはいかがでしょうか。
自分よりも周りの人の方が、癖をよく見抜いてくれていたりします。
あ、思いもよらない癖を指摘されたからといって、怒ってはいけませんよ(笑)
信頼できる人に聞いてみて、素直に受け止めましょう!
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川住幸子 日本医師会認定産業医
仙台かわすみ産業医事務所(合同会社メディカルロゼ)代表
http://medicalrose.co.jp/
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