今回は参考までに、アメリカでは、お上はどのような指針をだしているか、紹介させていただきます。
アメリカ国立労働安全衛生研究所(National Institute of Occupational Safety and Healt, NIOSH)は、次のように職場環境等の改善を通じたストレス 対策のポイントを挙げています。
① 過大あるいは過小な仕事量を避け、仕事量に合わせた作業ペースの調整ができること
② 労働者の社会生活に合わせて勤務形態の配慮がなされていること
③ 仕事の役割や責任が明確であること
④ 仕事の将来や昇進・昇級の機会が明確であること
⑤ 職場でよい人間関係が保たれていること
⑥ 仕事の意義が明確にされ、やる気を刺激し、労働者の技術を活用するようデザインされること
⑦ 職場での意志決定への参加の機会があること
【参考サイト:アメリカ国立労働安全衛生研究所(NIOSH)】
http://www.cdc.gov/niosh/topics/stress/
日本と同じで、言うは易し、行うは…ですが、「④仕事の将来や昇進・昇級の機会が明確であること 」には、ひとつ参考になる部分があります。
この文章は、以下とも捉えることができますね。
「仕事の将来の昇進・昇級の機会が【ないことも】明確であること」
文化的背景を簡単に補足しますと、アメリカでは、same role, same salary(同じ仕事なら、同じ給与)という文化があります。
具体例として、スーパーのレジ打ちは、入社2年目も10年目も、30歳も50歳も同じ給与です。仕事は同じですから、これが受け入れられています。
昇進や昇級のupの基準が明確なだけでなく、upしない基準も明確なのです。この基準は、あまり日本ではみられないですね。
今日は、アメリカ流職場のストレス対策を紹介させていただきました。なお、いい・悪いは言っていません。皆様はどうお考えになりますか?
以上、あなたとあなたの会社のココロとカラダの健康管理にお役に立てば幸いです。
文責:武神 健之
一般社団法人ストレスチェック協会 代表理事
医師、医学博士、日本医師会認定産業医