みなさん、こんにちは。キャリアコンサルタントの奥 富美子です。
『「秋になると無性に寂しくなる…」季節性のメンタル不調を吹き飛ばす産業医の神アドバイス』(PRESIDENT Online(2022.11.1))の記事に、「愛情ホルモンと言われるオキシトシンを増やす方法」が載っています。日本ストレスチェック協会代表理事で医師の武神健之先生による執筆です。オキシトシン不足は、寂しい、悲しい、不安、落ち込みなどの感情が増加し続ける場合があるそうです。
「秋になると無性に寂しくなる…」季節性のメンタル不調を吹き飛ばす産業医の神アドバイス
オキシトシンを増やすための方法として、人と一緒に食事したり遊んだり「人と接する機会を増やそう」とすすめています。スキンシップは効率的にオキシトシンの分泌を促すそうですが、苦手な場合はペットや抱き枕もおすすめ、と記されていました。
私は大学で「職業人生と健康」という授業科目を担当しています。人生のなかに「働く=職業人生」があります。職業人生を含め、卒業後の人生を「元気に過ごしてほしい」の願いを込めて、メンタルヘルス、アサーション、感情との付き合い方などを取り上げ、授業をしています。
授業で、「触れて気持ちがいいものは何?」とたずねたことがあります。オンライン授業だった頃、自宅で受講している学生には、「触りながら受講してもいいですよ」と、取りに行ってもらったところ、「抱き枕」を持って来た学生が1割程度いたことを思い出しました。「肌ざわりと柔らかくフィットする感じが好きです」「抱いているうちに、自分の体の体温で温かくなって落ち着く感じがします」「少し固めで触り心地が良く、肩にかけるととても落ち着きます」「膝の上に置いておくと落ち着いて作業ができます」などと、コメントをくれました。
いちばん多かったのは、約2割の学生が挙げた「ぬいぐるみ」でした。プレゼントされたとか、遊びに行ったときに買ったとか、思い出とともに「人とのかかわり」も気持ちよさに通じる要因となっているように思いました。
他にも、「クッション、タオル、毛布、ひざ掛け」などが挙がっていました。いずれも、「リラックスする」「落ち着く」「安心する」「癒される」などの言葉が続いていました。さらにこの後に続く言葉には、「前向きな気持ちになれる」「また頑張ろうという気持ちになる」「集中できる」などが多く出ていました。
オキシトシン不足で、ネガティブ感情の渦の中に飲み込まれ、なかなか脱出できない状況が続いていたら、それは精神的にも肉体的にも健康に悪影響が出そうです。そうならないように、「オキシトシン増」を意識した日常生活をおくりたいものです。特別な準備をしなくてもすぐにできるでしょう。
「触っていて好きなもの」は、何ですか。「気づくといつも、テーブルを触っている。冷たさが気持ちいい」とか、「ふわふわなタオルよりも、長年使ったゴワゴワしたタオルが好き」とか、「家では猫を離さない」とか。実はすでに、「触れて気持ちがいい」をしているのだと思います。
「ちょっと疲れたな」や、「何となく元気がでないな」というとき、あえて「触れて気持ちがいい」を実践してください。そして、身近な人たちと、ぜひ「触れて気持ちがいいもの何?」と会話してみてください。「オキシトシン増」のひとときとなることでしょう。
奥 富美子(おく ふみこ)
国家資格キャリアコンサルタント
きゃりあす 代表
https://www.career-as.com/