「ありがとう」の効果

 みなさん、こんにちは。キャリアコンサルタントの奥 富美子です。

私たちは一日に何回「ありがとう」を言っているでしょうか。コロナ禍で人と接することが減っていることもあり、「ありがとう」を言う機会も減っているかもしれません。

「上司に言われてやる気が出る一言」の第1位は、「ありがとう」との記事を目にしました。一般社団法人日本能率協会が行った「第9回「ビジネスパーソン1000人調査」【理想のチーム編】(2018.11)の結果です。

また、ネスレ日本株式会社が実施した「日常の感謝行為」に関するアンケート(2013.9)によると、「『ありがとう』をたくさん言う人ほど、ストレスを引きずりにくい」のだそうです。

「どれくらいストレスを引きずるか」を「『ありがとう』を1日に何回言うか」で比較しています。「ありがとう」を1日に20回以上言う人の「36.6%が、1日経てば忘れる」とありました。「ありがとう」言う回数が減るほど、引きずる期間は伸びています。0回の人を見ると、「1週間くらい引きずる+1カ月以上引きずる」が、40.5%でした。https://www.atpress.ne.jp/news/39007

もうひとつ、ゴディバジャパン株式会社の「ありがとう」に関するアンケート調査(2019.2)も見てみましょう。「『ありがとう』と『声』に出して伝える人ほど、幸福度は高く、また年収も高い」「91.0%の人が文字よりも『声』に出して『ありがとう』と言われた方が嬉しく、それは、平均8.4倍嬉しい」とあります。

https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000042.000015355.html

 コロナ禍だからこそ、リアルで会えたそのときに、「ありがとう」と声に出して言うことを実践していきたいです。文字やスタンプだけでなく、電話で声のやりとりをしたり、ビデオ通話で顔を合わせたりをときどきは行って、「『ありがとう』を言う」ことをしたいものです。

 大学の授業のなかで「感謝のメッセージを書く」ことを指示したことがあります。「〇〇さんへ」と、相手を思い浮かべてメッセージを書きます。そして、「〇〇より」で締めくくります。授業終了時、「感謝行動に移すこと」と課題を出しました。対象の〇〇さんへ「電話する」「メールする」などをして、今書いた感謝のメッセージを実際に伝える行動をとるよう求めました。

翌週の授業では、「母に手紙を渡した」「離れている家族に久しぶりに電話した」「友だちに直接会って手渡した」などと紹介してくれました。その感想は、「相手が喜んでくれたので、私もうれしかった」でした。

「ありがとう」は言われた人だけでなく、言った人にもいい効果をもたらします。ストレス対策になるのです。一日20回以上、周囲の人に「ありがとう」を声に出して言いましょう。「『ありがとう』を言って、ストレス軽減」を広めましょう。

奥 富美子(おく ふみこ)

国家資格キャリアコンサルタント 
きゃりあす 代表
https://www.career-as.com/