『ストレスに悩まない３つのセルフケア』
厚生労働省の調査によると仕事で強いストレスを感じている労働者は
59.5％と約６割にものぼっている。
そのうち、家族や友人などに相談したのは約８割。
相談して「解消された」、「気が楽になった」と答えたのは
合せて92％とその、効果がうかがえる。
「相談する相手を持つことは、メンタル不調にならないための
３つのセルフケアうちの一つです。
それは何も専門家でなくても家族や同僚、友人に話すだけで
発散でき、効果はすごく大きい。
ただ、上司とかに話をすると途中で要らないアドバイスをしてくる
こともあるので、『うん、うん』と聞いてくれる人を見つけましょう。
その点、話を聞くのが専門である産業医やカウンセラーは
上手く聞いてくれ、こんがらがった糸がほどけていきます」
２つ目は「長時間労働による負の連鎖を断ち切る」こと。
「長時間労働をしている人は睡眠時間が少ない。
そして睡眠時間が短いと身体や心の健康を害するリスクが高いとされています。
また、会社と家の往復だけという生活は『会社が自分のすべて』に
なってしまい、何かうまくいかないことやミスがあると、
心のよりどころが無くなってしまう。
メンタル不調で休職をしたケースでは
『世の中の人は、５時、６時になると帰宅するんですね』と言う人がいました。
この方は就業時間を意識したことが無いのだと言います。
長時間労働が当たり前になると違和感を覚えなくなってしまうんですね。
これは非常にまずい。
また、不平や不満が募ってくることもメンタル不調の要因になりかねません。
働き方改革での是正に注目したいところです」
３つ目は「睡眠するための時間を確保する」こと。
「布団に入った時間はわかっても入眠時刻は分かりません。
そこで私が注目するのが、睡眠時間ではなく、
布団やベッドにいる（いた）時間です。
この床上時間は長いか、短いか、眠れているのか、否かの４つに分類できます。
理想的なのは床上時間が長くて眠れているパターン。
一番良くないのは短くて眠れていないパターン。
短くて眠れているパターンはまだ良のですが、
長くて眠れていないパターンはどうか。
人間の睡眠時間は１サイクルで90分。
例えば６時間なら３、４回は取れています。
私の職業的な感覚では２サイクル取れていない日が二週間続くと
高率でうつ病になると言えます。
床上時間が４時間しか取れないと２サイクル以下になる可能性が高く、
かなり危ない。なので、６時間くらいは確保したい。
とにかくベッドに横たわっていれば１サイクルくらい逃しても
３サイクルは取れるので、メンタル不調になる可能性は低いでしょう。
毎日でなくても週に数回、確保すればリスクはだいぶ回避できます。
このように床上時間を意識することが身体や心の健康の維持に役立つのです」
床上時間の確保は、長時間労働による負の連鎖を断ち切ることにもつながる。
後は、元気なうちに、いざとなったときに話を聞いてくれる人を
確保しておくことだ。
次回は「夫がうつにその時妻は」
・関連資料
厚労省データ（ストレスについて）
https://www.mhlw.go.jp/toukei/list/dl/h28-46-50_kekka-gaiyo02.pdf