面談相手との位置関係は重要!?
小太り産業医:「いや~、今年も終わりだね。」
人事担当者:「先生、今年一年でどのくらい面談したんですか?」
小太り産業医:「(振り向きながら)35億!」
人事担当者:「・・・。」
小太り産業医:「うそ、1100人以上」
人事担当者:「最初から、本当の事を言った方が印象はいいですよ・・・。」
今年も1000人以上の面談をこなしました。
面談を多くこなしている中で、やはり相手との位置関係は重要なことがよく解ります。
まず、皆さんに問題です。
下記の①~⑤で面談相手が自分に良い印象を持ちつつ、
面談に臨んでくれる位置関係はどれだと思いますか?
多くの面談をこなしている、カウンセラーや臨床心理士の方々は、
その教育課程でこの話は良くご存知かもしれません。
①と④の机を挟んで対面になってしまうと、心理的圧迫感や敵対感が湧き出てきます。
皆さんが入社面接などで①の位置関係だと緊張してしまいませんか?
④だと距離を取られている感覚に陥りませんか?
まずは自分自身が「相手」側の席に座ったときにどう感じるのか考えてみると良いと思いますよ。
次に⑤です。最近、多くの病院に電子カルテが導入されています。小太り産業医が研修医として働いていた病院で、
電子カルテが導入されたときに多く寄せられたクレームの一つが、
「医者がこっちを向いて話しを聴いてくれない!」でした。
皆さんも、受診したときに医者が画面だけ見ながら問診されて、嫌な思いになったことはありませんか?
⑤は位置関係ではなく、相手側を向かずに話しを聴いても決して相手は”聴いてもらっている感”はありません。
相手に傾聴感を抱いてもらうことは重要ですよ。
私はなるべく②か③の位置関係で座るようにしています。
そして、さらに可能であれば気を遣っていることがあります。
”面談相手をドアに近い側に座らせる”ということです。
「おいおい、オマエはドアから遠い”上座”に座るのかよ!」とツッコまないでください。
はやり、心理的にもドアが近い方が”何かあっても逃避できる感”があるのです。
自分が面談されていると考えてみてください。
部屋の奥側に座らされて、上司やカウンセラーがドア側に座ったら、なんだか”押し込められている感”を受けませんか?
そういう、感情は重要です。
位置関係はあくまで、基本的な考えと思ってください。
中には、ドアに近いと廊下に人に聞こえてしまうかもしれないので嫌だ!という方もいらっしゃるでしょう。
また、最近は会議室の廊下側が前面ガラス張りになっているので、廊下に背を向けて面談できるようにするなどの工夫も必要です。
話しを「きく場」を設定する重要性は高いと思います。
皆さんも、一度じっくりと考えてみると面談巧者になれるかも!
人事担当者:「ボクは奥さんと話すときは③で話しますね!一日の出来事とか、子供のこととか。先生は?」
小太り産業医:「ボ、ボクは・・・。奥さんとはそういう場はあまり作っていないなぁ・・・。」
人事担当者:「先生、奥さんの話も聴いてあげないと、離職されますよ!」
小太り産業医:「いや~、私が解雇されるかも・・・。」
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文責:新井 孝典(あらい こうすけ)
株式会社 なごや産業医事務所:http://nagoya-sangyoui.com/
代表取締役 所長
認定産業医/労働衛生コンサルタント
認定内科医/循環器内科専門医
日本ストレスチェック協会理事・ファシリテーター
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