厚生労働省から、企業等が労働安全衛生法に基づくストレスチェック制度を円滑に導入・実施できるよう、ストレスチェック制度に関するストレスチェックの受検、結果の出力等のプログラムに関して、その内容等が公表されています。
参照URL・・・http://www.mhlw.go.jp/bunya/roudoukijun/anzeneisei12/pdf/150722-1.pdf
プログラムの内容
このプログラムについては、下記の機能が搭載される予定です。
① 労働者が画面でストレスチェックを受けることができる機能
「職業性ストレス簡易調査票」の57項目によるものと、より簡易な23項目によるものの2パターンから選択すること可能とされ、紙媒体による調査を実施した場合にはCSV 等へ入力したデータをインポートすることも可能とされています。
② 労働者の受検状況を管理する機能
③ 労働者が入力した情報に基づき、あらかじめ設定した判定基準に基づき、自動的に高ストレス者を判定する機能
④ 個人のストレスチェック結果を出力する機能
⑤ あらかじめ設定した集団ごとに、ストレスチェック結果を集計・分析(仕事のストレス判定図の作成)する機能
⑥ 集団ごとの集計・分析結果を出力する機能
⑦ 労働基準監督署へ報告する情報を表示する機能
③の高ストレス者の判定基準については、「ストレス反応の点数のみで選定する基準」のみとするか、それに「ストレス要因と周囲のサポートを加味して選定する基準」を加えるのかが選択できるようになっています。
そして、それぞれの基準については、事業場ごとで値を設定することが可能になっています。
今後の課題とスケジュール
現時点では、スマートフォン画面には対応していないことや、今後の発売が予定されている新しいOSのWindows10には対応していないことなどが明らかになっていますので、注意が必要でしょう。
また、受検者が本人であるか否かの情報の確認については、9項目の設定が可能のようです。ただし、他人が別の受検者を装う、いわゆる“なりすまし”等の回答をいかに排除していくのかについては、プログラムだけに頼るではなく、教育や啓発していくことも重要でしょう。
なお、このプログラムについては、「今年の秋頃を目途に完成させ、無料で配布する予定」とされています。
中山寛之(なかやまひろゆき)
中山社会保険労務士事務所代表 http://nsr-office.biz/
特定社会保険労務士