転職後すぐに感じるストレスを軽減するセルフケアの視点とは

人はだれでも新たな職場での第一歩を踏み出す時、いろんなストレスがかかる。慣れない通勤ルート、場所、上司、先輩・・・緊張するのも当然である。転職後に感じるストレスを少しでも軽減するため、三つの視点をお伝えする。

名前を覚えるためにはちょっとしたコツで乗り越えろ


最初に挙げる視点は、周囲の人の名前を覚えることである。当然のようだが、ここで時間がかかるとストレスが強くなってしまう。名前を覚えていないと、自分から声をかけにくいし、総合交流が図りにくい(声をかけてもらいにくい)。名前と顔を覚えるのが得意であればいいが、そうでない場合は、「●●さん、△△のことですけど・・・」と、用件の前に名前をつけて呼ぶと、比較的覚えやすい。部署の名簿があれば、それを利用するのもありだが、最近は個人情報の関連で、名簿や連絡網がない会社もあるだろう。ただ、名札をつけている会社は増えているので、ぜひ自分から積極的に「●●さん」と声に出したい。名前を呼べば、相手に好意が伝わるので、相手が関心を持ってくれるきっかけになる。自分のことを覚えてもらう、というのもストレスが軽減できる大切な要素なのだ。ただし、いきなり砕けた呼び方はNGである。特に、異性に関して、ことに男性が女性に対して行う際に印象が強くなるが、下の名前で「●●ちゃん」などと呼ぶことは、セクハラ社員の出来上がりとなってしまうため、絶対に避けること。

専門用語は辞書を引けばいいのか


社内ではいろんな専門用語が飛び交っていると思う。もちろん、その業界における一般的な専門用語があり、それらは辞書を引けばよいが、「社内だけの専門用語」というものも存在する。社内だけの専門用語の場合は、辞書を引いても当然掲載しておらず、調べる手段がない場合もある。社内でのコミュニケーションを円滑にするためには、社内だけの専門用語を「使う」「覚える」「話す」ということが必要だろう。先輩や周囲の会話で、よくわからない用語が出てきたら、メモをとっておき、質問することが必要だ。社内だけの専門用語なのかどうかは、文脈から判断できると思うので、それらを一つずつ、できるだけ早めに使ってみることだ。自分が覚える意味もあるが、使っているあなたの言葉を聞いて、周囲が仲間意識を持ってくれるきっかけにもなる。転職してすぐはメモが手放せないと思うが、その蓄積が後輩を育成するときにも「分かりにくいかもしれないけど『●●』という言葉は、社内用語で『■■』という意味だよ」と伝えていけば、頼りになる先輩として、頼られることになるだろう。

自分には向いていないかも・・・?と結論づけるその前に


いかに経験豊富で、そのスキルを期待された入社であっても最初は新人と同じ。それだけに最初はくじけそうになることも多々あるだろう。「うまくいかない」と感じることもあるだろう。当然だが、入社してすぐ全員が先輩である。ということは、周囲はあなたより何倍も仕事ができるはずなので、そんな時期に先輩と自分を比べるのはナンセンスである。昨日の自分を比べてどうなのか、先週の自分と比べてどうなのか、など自分の過去と比較して、積みあがったものは何か、これから何を積んでいくのか、と視点を自分にすること。向いているかどうかは、ある程度やりきって、「周囲からもらう」評価の一つである。自分だけで判断せず、目の前の仕事に集中して、あるいは自分の成長に集中して、周囲からの信頼を得よう。きっと慣れないあなたを周囲が応援してくれることだろう。

以上、三つの視点を意識して、新たな会社でのスタートを切ることができれば、きっとスムーズに成長していけるだろう。せっかく出会った会社で、少しでも長く勤めるためには、最初が肝心である。今後のご活躍を心よりお祈り申し上げる。

田中 健太(たなか けんた)
メンタルケア心理士
S&Sメディカルコンサルタント代表 http://www.ss-medical.net