日常習慣と不安・ストレスコントロールについて


 現代はストレスが多い時代と言われています。私は産業医としてこの10年間でのべ1万人の働く人と面談をして来ました。そして、ストレスについて、実際に現場の経験からわかったことがあります。それは、同じような環境にあってもストレスに悩みメンタル不調になる人とならない人がいるということです。そして、ストレスに上手に対処している人達は、そもそもストレスを感じる前からの日常生活の中で、上手に3種類のセルフケアを取り入れています。

 1つめは、睡眠時間ではなく、「布団にいる時間」を確保するということです。

 実際に寝てはいなくても、とにかく布団で身体を休めている時間を日頃から少なくとも6時間くらいは確保することで、睡眠不足からくるメンタルヘルス不調はかなり予防できます。忙しくて毎日6時間のベッドタイムの確保は難しくても、週に数回そうすることでも効果はあります。

 2つめは「相談する相手をもつ」ということです。

 強いストレス・不安・悩みを他人に相談することで、約9割の人が解消したか、少なくとも気が楽になるというデータがあります。 精神療法(メンタルヘルス治療法)の中では昔から、話をすること自体がストレスの緩和に非常に効果的だとされています。

 相談相手は、かならすしも専門家ではなくていいので、へたにアドバイスなどをする人ではなく、ただ「うん、うん」と話を聞いてくれる人を日頃から見つけておきましょう。
3つめは、自分のストレス症状を知っておくということです。

 人は、自らにかかる負荷が自分の許容限度を超えて“ストレス”と感じると、その反応がストレス症状として現れます。この症状は、人それぞれでは異なりますが、同じ人では大抵決まっています。

 眠れないからといって即座にうつ病だと考える必要はありませんが、何か原因の分からない、説明しきれないような症状が続くときは、メンタルな問題である可能性も少しは考えていただけると良いでしょう。もしくは人に「その原因はメンタルじゃない?」と言われたら、端から否定したりせず「そういうこともあるのかな」と思える余裕を持っていただけたらと思います。

 ぜひ読者の皆さんもこのような意識をもって、上手にストレスに対処できるこころとからだを育んでいただければと思います。

 

 3年目となるストレスチェックニュースでは、不安とストレスに上手に付き合っている人たちはどのような習慣を持っているか、メンタル不調者やハラスメント被害者が出ない職場ではどのようなコミュニケーションがなされているか、働く人に関係する労務の諸問題や制度(労働安全衛生関連ニュース)をご提供させていただきます。

 ストレスチェックニュースの記事が、皆様と職場のココロとカラダの健康管理にお役に立てば幸いです。

 

文責:武神 健之
一般社団法人ストレスチェック協会 代表理事
医師、医学博士、日本医師会認定産業医

 

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