あかるい職場~「みる」から始める


 みなさん、こんにちは。キャリアコンサルタントの奥 富美子です。

 ある冠婚葬祭業の企業さまを訪問したときのことです。壁にポスターが貼ってありました。営業成績優秀者の表彰集合写真や新入社員が現場で頑張っている様子の写真などが取材記事とともに載っています。写真はどれも笑顔で、拝見していてうらやましくなってきました。営業成績優秀者の中には、70歳を超えた女性もいらっしゃいました。ダイバーシティが何の苦もなく実践されている企業のように思えます。

 人事部のマネージャーにお話を伺ったところ、このポスターは「社内報」でした。「社内のイントラネットにアップすれば済むことかもしれませんが、あえてポスターもつくって、全国の事業所に貼ってもらっているんです。壁際でポスターを見ながら会話が始まりますから。会ったことがない人かもしれませんが、同じ会社の『仲間』を知ることは大切です」とのことでした。

 さらに人事部では、朝礼で全員と、「握手をしながら挨拶する」を習慣としているそうです。「朝礼は、スタッフの様子を見ることができるから、重要な時間です。顔色や表情を観察できますし、握手したときの力の入れ具合でも、いつもと違うなぁと感じることがあります。そんなときは、折を見て声をかけ、話を聴くんです」と、マネージャーの話でした。

 厚生労働省は、「あかるい職場応援団」のサイトに「データでみるパワハラ」として様々な調査結果を掲載しています。(参考:あかるい職場応援団) 

 職場のパワーハラスメントに関する実態調査をみると、パワーハラスメントに関連する相談がある職場に共通する特徴は、「上司と部下のコミュニケーションが少ない職場:45.8%」と最も多く、次いで「失敗が許されない/失敗への許容範囲が低い職場:22.0%」となっています。

 また、パワーハラスメントの予防・解決に向けた企業の取組内容として、
・相談窓口を設置した    82.9% が最も多く、
・管理職対象の講演や研修  63.4% 
・一般社員対象の講演や研修 41.2%
・職場におけるコミュニケーション活性化等に関する研修や講習 22.4%
と、研修も実施されていることがわかりました。

 パワーハラスメントの予防・解決のための取り組みで効果を実感できたものとしては、
・相談窓口を設置した 60.6%
・管理職対象にパワーハラスメントについての講演や研修会を実施した 74.2%
・一般社員等を対象にパワーハラスメントについての講演や研修会を実施した 69.6%
・職場におけるコミュニケーション活性化等に関する研修・講習等を実施した 56.5%
でした。

 そして、「パワーハラスメントの予防・解決に向けた取組により、職場環境が変わる、コミュニケーションが活性化するほか、『休職者・離職者の減少』、『メンタル不調者の減少』などの付随効果がみられる」と記されています。パワーハラスメントの予防・解決をして「あかるい職場」をつくるには、「コミュニケーション」の在り方がキーとなるでしょう。

 日本ストレスチェック協会のメンタルヘルス入門講座「みる・きく・はなす技術」は、パワーハラスメント対策として使える上司と部下のコミュニケーション方法や、「みる・きく・はなす」を具体的にどのような場面でおこなっているかの事例もご紹介しています。

 上述の冠婚葬祭企業は、朝礼や社内報を「職場のコミュニケーション、活性化」に活用している実例です。人事部マネージャーは、朝礼でスタッフの表情、声の調子、様子を目で見るだけでなく、握手の力加減でも相手を観察しようとしています。全員が全員とする「握手で挨拶」は、上司が部下を観察するだけでなく、メンバー同士が「お互いに気にかける」職場づくりです。

 「だって、『私一人では何もできないから、みんなで協力し合って!』といつも頼んでいるの」とも言っていました。いつお会いしても元気で明るい、笑顔の美しいマネージャーです。「あかるい職場」は、「部下をよく見ている上司の、明るい笑顔から始まる」という気がします。

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奥 富美子(おく ふみこ)
国家資格キャリアコンサルタント 
きゃりあす 代表
https://www.career-as.com/
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