社内を桜満開に


 みなさん、こんにちは。キャリアコンサルタントの奥 富美子です。

 桜が待ち遠しい季節になりました。子どもたちにとっては、卒業式や入学式、新入社員にとっては入社式、働く人々には新年度と、区切りのこのとき、桜とともに思い出すことが多いのではないでしょうか。

 私がコールセンターの運営会社に勤務していたとき、職場(コールセンター)内を桜満開にした例をご紹介しましょう。

 はじめに、コールセンターのことをお話しします。コールセンターは、お客さまの問い合わせや注文を電話で受ける部署です。コミュニケータと呼ばれる電話応対スタッフは、出勤すると自分のブースに着き、終業時間までお客さまの電話を受けます。会社によってその内容や対応件数は様々ですが、「お客さま対応」という仕事から、「気づかい、おもてなし」が求められ、ストレスなしの簡単な仕事とはいえません。

 オフィスワークとは異なり、隣の席の人とおしゃべりをすることはありません。一人ひとりがひっきりなしに入ってくる電話に対応しているからです。シフト勤務のため、出退勤や休憩時間もいつも友だちと一緒というわけにもいきません。同じセンターで働く者同士ですが、お互いによく知っているかというと、そうでもないのです。

 そこで、私が行ったことは「桜満開プロジェクト」です。「お互いをよく知るために、『ありがとう』を届け合う」としてはじめました。模造紙に大きな「木」の絵を書いて壁に貼りました。壁際に台を置き、「桜の花びら」の形をしたメッセージカード、ペン、貼付用のテープを用意しました。仲間に「ありがとうメッセージ」を書いて、「木」に貼ります。メッセージを書くときの約束は、「○○さんへ、□□より」を必ず書くことだけです。

 3日間で、桜は八分咲きになりました。木を2本(模造紙2枚)作ったのですが、一気に満開です。メッセージには、「○○さん、先日は、・・・を教えてくれてありがとう。□□より」「○○さん、隣の席で○○さんの応対聴いてます。いい言い方をマネしています。ありがとうございます。□□より」など、具体的な「ありがとう」がたくさんありました。プロジェクト終了後に感想をきくと、「ほめてもらえてうれしかった」「書きたいから、朝早く出勤しました」「書くとうれしいから、終了時間が待ち遠しかったです」が大多数でした。

 「ありがとう」は、「ほめる」でもあります。「ありがとう」を言おうとすると、相手をよく知ろう、名前を確認しようと努めるものです。互いに感謝し合う職場づくりができれば、職場のメンタルヘルスも良好度が上がることでしょう。 殺風景な職場の壁に「手作りの桜」を咲かせることも、組織のケアにつながります。

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奥 富美子(おく ふみこ)
国家資格キャリアコンサルタント 
きゃりあす 代表
https://www.career-as.com/
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